連休には一泊二日で久しぶりに福岡へ母と行って来たのですが、帰ってきた翌日には頭痛でほぼ一日中寝てました。運動不足でしょうが、母によれば「鍛え方が足りない」だそうです。手厳しい。何かスポーツをやったらと言われましたが、高校までさんざんソフトテニスをやってたので、もう充分だと思っているのでやらないです。
さておき、読書状況です。


・「六花の勇者 2」山形石雄
「七人目」だったナッシェタニアは去ったが、ロロニアという少女が現れ、またもや七人になってしまった六花の勇者たち。魔神再起までのタイムリミットが迫っており、疑心暗鬼は拭えないまま、魔哭領の奥へと進む。するとそこへ一体の凶魔が現れ、モーラに「君には時間がない」と告げる。更に凶魔を束ねる統率者の一体、テグネウが六花の勇者の前に突如現れる。それは「七人目」の関わる策略なのか? 混乱の中で激闘が始まる。(あらすじ引用しました)
以前紹介した「六花の勇者」の続刊です。まだ出ないかなーと思っていたら出たので、早速買って読みました。
キャラクターがそれぞれ魅力的なのは勿論、ストーリーも読み応えがありました。ミステリー要素も詰め込まれていて、誰が七人目だろうかとか考えながら読みましたが、さっぱり分かりません。この辺りが作者の掌の上で転がされている気がする……。
ただ、この話では、前巻には出て来なかった、勇者たちの敵である凶魔の意外な事情も明かされていて、あら、単純な話じゃなかったんだなとちょっと驚きました。こういう要素も結構好みなので、ますます続きが楽しみになってきました。あ、恋愛要素もあるので、色々楽しめます。
でも七人目が誰なのかもますます気になります。フレミーやハンスとかだったらショックだけど、誰であっても衝撃を受けるかもしれない……。ううう、早く正体が分かって欲しいけど、全員偽者でなかったらいいのにとも思います。あああ、複雑。
ライトノベルとして出されていますが、ふつうの小説としても読めるんじゃないかと思います。ファンタジー好きでしたらおすすめ。


・「ONE PIECE 66」尾田栄一郎
新刊です。これまたいつもの如くコンビニで買いました。コンビニ便利ですね。
うーん、子供の頃から追いかけ続けている好きな漫画なので、あまり辛口は――というか、できれば、どの作品にも辛口にはなりたくないので、個人的に感じたことだけを挙げてみます。
印象に残ったのは、この巻の最初の話に出てくる海王類のやりとりですね。そういえば、「ダーウィンが来た!」でも、シャチは海の中で仲間にしか分からない言葉でやりとりをしていると紹介されていましたから、おかしくはないやも。
それともうひとつ、ネプチューンとロビンがこっそり話をする場面もありますが、古代兵器の正体が明かされるところではちょっと鳥肌が立ちました。まさか、空島編でのあの伏線がここで回収されるとは……。本当によくよく話を考えているのだな、と舌を巻きました。
また作者が総監督になって映画製作に関わられるそうなので、こちらも楽しみです。


・「源氏 物の怪語り」渡瀬草一郎
千年の時を経て、歴史に名を残す希代の文人、紫式部。中宮彰子に仕えつつ、『源氏物語』を書き綴る彼女の傍らには、とうの昔に亡くなったはずの“姉”がいた。愛娘の賢子にとり憑いたその姉に導かれ、紫式部が出会うのは、四人の歌人と四季を巡る四つの物語。伊勢大輔、和泉式部、中宮彰子、赤染衛門――当代の歌詠み達の前に現れる物の怪は、時に恐ろしく、時に儚く……けれど人の心を映し、朧々としてそこに有る。(あらすじ引用しました)
「陰陽の京」を書かれた作者の作品ということで手を伸ばしてみました。紫式部の視点で話が進められます。紫式部は清少納言とは正反対の性格のようですが(清少納言は清々しいくらいに潔い性格だったようです)、この話の中では思慮深い女性として書かれています。
四人の歌人に起こる不思議な出来事を、紫式部と、その姉が解決できるように動くという内容ですが、中には藤原道長とその娘である彰子も出てきて、どちらかというと、こちらの親子の価値観や世界観の違いが印象に残りました。簡単に説明すると、道長は現世での権力に執着しており、そんな彼とは対照的に、娘である彰子は、人の生など儚いものだから、たとえどんなに絶大な権力を手に入れられたとしても、必ず終わりが来る――そういう風に思っています。当たり前ですが、親子でも価値観が違いますね。
「陰陽の京」のように平安時代を舞台にしたお話をお求めなら楽しめるかと。


・「うた恋い。3」杉田圭
「うた恋い」シリーズの新刊ということで早速買いました。アニメも夏から放送されるそうで、もう物凄く楽しみですが、できれば夜の時間に放送して頂けるといいなあ。昼や夕方だと確実に仕事で見られない……。
この3巻では、清少納言と、1巻で取り上げられた藤原義孝の息子である行成を中心に紹介されています。義孝の親友である道隆の恋も描かれていて、個人的には彼の口説き方が面白かったです。道隆さん、意外とパワフルに口説かれていたんですね。
清少納言は、先の「源氏 物の怪語り」でも触れたように、清々しいくらいに潔い性格だったようですが、この巻でもそのように描かれています。今と違って、男尊女卑がはっきりしていた中で、清少納言は豊かな知識を生かして宮廷生活を送っていたとあります。中宮定子に仕えてもいて、彼女に非常に誠意を抱いていたようで、枕草子にもそれを込めていたのだなと分かります。
彼女と行成の関係が変化していく様もしっかり描かれていて、くっつきそうでくっつかない、近いようで遠いような関係がたまりませんでした。
シリーズですが、単独でも読めるのでお勧めです。この調子で是非続きを出して頂きたい。


・「銀色ふわり」有沢まみず
雪が降りそうな冬のある日。雑踏の中で僕は一人の女の子とすれ違った。銀色の髪の、綺麗な少女。なぜか、目が合った僕のことを驚いた顔で見つめていて……。でもそれはたった一度の偶然の出会い。何も起こることはない、はずだった……。だけど数日後、僕は見知らぬ男女に連れられてその少女と再会する。デジタルツールを使わなければ誰からも知覚されず、誰のことも知覚できない“黄昏の子供たち”と呼ばれる特異な子供たち。少女は新たな進化の鍵を秘めたその“黄昏の子供たち”の一人だった。互いに孤独を秘めた少年と少女が出会う、せつなくあたたかい物語。(あらすじ引用しました)
あまぞんでのレビューがよかったので読んでみました。思い切りライトノベルなので、さくさくっと読めましたが、時折えぐい表現があるので、苦手な方は注意した方がよいやも。
母親に抱っこされている子供の安心感、というのがとても印象に残る話でした。誰からも見ることができず、また、自分からも誰も見ることができない子供は、それゆえに母親のにおいもかげない、という場面があって、安心感を得ることができないというところが痛ましいと思いました。
あらすじ通り切ない話ですが、あたたかいかどうかはちょっと疑問です。話の中に、黄昏の子供たちがどうなるかも出ているので、それを考えるとちょっと残酷な話ではないかなと思います。


・「本当は恐ろしいグリム童話」桐生操
先日読んだ「グリム童話」が怖いながらも面白かったので、他の話も読んでみたいなあと思ったら、福岡への旅行で、福岡の書店でこのシリーズを見つけたので全巻買いました。
この本には「白雪姫」「シンデレラ」「蛙の王子様」「青髭」「眠り姫」「ネズの木」が収められています。「白雪姫」は怖いと聞きましたが、本当に怖いなこれ! 親子揃って恐ろしいことを仕出かしおるよ!
「白雪姫」は、子供向けの童話は綺麗に脚色されていると知れるものです。こちらに収められている方の話は、ネタバレになってしまいますが、近親相姦がはっきり描かれています。父親、母親にとっては夫となる人の愛情を争うという関係が母親と娘の間にあって、それがいつの間にか殺し合いになるという……こんなに怖い関係はいやだ。
「シンデレラ」も、三人の義姉が鳥に目玉を――というえぐい仕打ちを受ける場面があります。シンデレラ自身は清いままで、彼女自身は手を下さないのですが、その辺りがかえって恐ろしく思いました。彼女自身が手を下さなくても、彼女にとっていいようになるというのは、なんだかうすら寒い気がします。
「青髭」と「眠り姫」も、それぞれに恐ろしい話でしたが、一番恐ろしいと思ったのは、最後に収められている「ネズの木」ですね。何も知らずに食べるお父さんもそうですが、それ以上に、仕返しをする男の子が怖かったです。こんなに残酷な話が問題にならなかったということがあとがきにあって、愕然としました。今の時代に生まれてきてよかったと鳥肌の立った腕をさすりましたよ……。
しかし、昔も今も、継子と親の関係はうまくいかない(そうでないところもあると思いますが)ものですね。
二巻と三巻も買ったので、読み次第感想をこちらに上げます。


・「マリー・アントワネット 運命の24時間」中野京子
悲劇の王妃であるマリー・アントワネットを知らない人はあまりいらっしゃらないんじゃないかと思います。この本は、マリー・アントワネットが王を含む家族と一緒に亡命しようとした日に起こった出来事が、まるで見てきたかのように細かく描かれています。作者はとても色々調べられたようで、それぞれの人物も多分この時はこう思ったんだろうなということがリアルに綴られています。
マリー・アントワネットだけでなく、フェルゼン、ルイ、子供たちなど、王族とその関係者などが主な登場人物で、彼らがどんな結末を辿るのかはもう知っているのですが、それでも緊迫した空気があって、どうなるのだろうと読んでいてハラハラしました。
作者なりの解釈もところどころ加えられていて、確かに、と頷くこともありました。特にフェルゼンのくだりには膝を打ちましたね。マリー・アントワネットが、本当に市民達の噂通りの人物なら、どうしてフェルゼンのように賢明な人物が死ぬまで愛情を寄せていたのだろうか――そのような解釈もあって、ああ、と思わず声を出しました。
マリー・アントワネットやその家族は、本当に、時代に翻弄されてしまった悲しい人達なのだな、と、読みながらつくづく思いました。


・「芸術家達の秘めた恋――メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代」中野京子
19世紀後半、ロマン主義全盛の時代を生きた作曲家メンデルスゾーンと作家アンデルセン。生まれも容貌もまるで正反対の二人を結びつけたのは、奇跡の歌声を持つ歌姫だった。三者三様の想いを胸に秘め、創作活動に没頭する彼らを待ち受ける過酷な運命とは……。(あらすじ引用しました)
歌姫というのはジェニー・リンドのことです。大学でもアンデルセンを専攻した講義があって、それを受けたので、アンデルセンの伝記のような映画も見たんですが、その映画ではリンドはずるい女性というように撮られていました。人によって捉え方は違うと思いますが、この本では、むしろ、うまく意思表示ができないために、うまく断っているつもりでも理解して貰えないというように描かれています。
読めば分かるように、アンデルセンはちょっと――というか、ひとによっては眉を顰めるくらいに困ったところもあったようで、その辺りもきちんと描かれていました。また、もうひとり、メンデルスゾーンにも焦点が当てられています。彼は「幸せな音楽家」と言われていますが、それだけではなかったということが丁寧に語られています。
三人のそれぞれの苦悩や葛藤を交え、不思議な運命を、作者は上手に描かれていると思います。彼らのうち一人でも興味がありましたら読んで損はないかと。
さておき、読書状況です。
・「六花の勇者 2」山形石雄
「七人目」だったナッシェタニアは去ったが、ロロニアという少女が現れ、またもや七人になってしまった六花の勇者たち。魔神再起までのタイムリミットが迫っており、疑心暗鬼は拭えないまま、魔哭領の奥へと進む。するとそこへ一体の凶魔が現れ、モーラに「君には時間がない」と告げる。更に凶魔を束ねる統率者の一体、テグネウが六花の勇者の前に突如現れる。それは「七人目」の関わる策略なのか? 混乱の中で激闘が始まる。(あらすじ引用しました)
以前紹介した「六花の勇者」の続刊です。まだ出ないかなーと思っていたら出たので、早速買って読みました。
キャラクターがそれぞれ魅力的なのは勿論、ストーリーも読み応えがありました。ミステリー要素も詰め込まれていて、誰が七人目だろうかとか考えながら読みましたが、さっぱり分かりません。この辺りが作者の掌の上で転がされている気がする……。
ただ、この話では、前巻には出て来なかった、勇者たちの敵である凶魔の意外な事情も明かされていて、あら、単純な話じゃなかったんだなとちょっと驚きました。こういう要素も結構好みなので、ますます続きが楽しみになってきました。あ、恋愛要素もあるので、色々楽しめます。
でも七人目が誰なのかもますます気になります。フレミーやハンスとかだったらショックだけど、誰であっても衝撃を受けるかもしれない……。ううう、早く正体が分かって欲しいけど、全員偽者でなかったらいいのにとも思います。あああ、複雑。
ライトノベルとして出されていますが、ふつうの小説としても読めるんじゃないかと思います。ファンタジー好きでしたらおすすめ。
・「ONE PIECE 66」尾田栄一郎
新刊です。これまたいつもの如くコンビニで買いました。コンビニ便利ですね。
うーん、子供の頃から追いかけ続けている好きな漫画なので、あまり辛口は――というか、できれば、どの作品にも辛口にはなりたくないので、個人的に感じたことだけを挙げてみます。
印象に残ったのは、この巻の最初の話に出てくる海王類のやりとりですね。そういえば、「ダーウィンが来た!」でも、シャチは海の中で仲間にしか分からない言葉でやりとりをしていると紹介されていましたから、おかしくはないやも。
それともうひとつ、ネプチューンとロビンがこっそり話をする場面もありますが、古代兵器の正体が明かされるところではちょっと鳥肌が立ちました。まさか、空島編でのあの伏線がここで回収されるとは……。本当によくよく話を考えているのだな、と舌を巻きました。
また作者が総監督になって映画製作に関わられるそうなので、こちらも楽しみです。
・「源氏 物の怪語り」渡瀬草一郎
千年の時を経て、歴史に名を残す希代の文人、紫式部。中宮彰子に仕えつつ、『源氏物語』を書き綴る彼女の傍らには、とうの昔に亡くなったはずの“姉”がいた。愛娘の賢子にとり憑いたその姉に導かれ、紫式部が出会うのは、四人の歌人と四季を巡る四つの物語。伊勢大輔、和泉式部、中宮彰子、赤染衛門――当代の歌詠み達の前に現れる物の怪は、時に恐ろしく、時に儚く……けれど人の心を映し、朧々としてそこに有る。(あらすじ引用しました)
「陰陽の京」を書かれた作者の作品ということで手を伸ばしてみました。紫式部の視点で話が進められます。紫式部は清少納言とは正反対の性格のようですが(清少納言は清々しいくらいに潔い性格だったようです)、この話の中では思慮深い女性として書かれています。
四人の歌人に起こる不思議な出来事を、紫式部と、その姉が解決できるように動くという内容ですが、中には藤原道長とその娘である彰子も出てきて、どちらかというと、こちらの親子の価値観や世界観の違いが印象に残りました。簡単に説明すると、道長は現世での権力に執着しており、そんな彼とは対照的に、娘である彰子は、人の生など儚いものだから、たとえどんなに絶大な権力を手に入れられたとしても、必ず終わりが来る――そういう風に思っています。当たり前ですが、親子でも価値観が違いますね。
「陰陽の京」のように平安時代を舞台にしたお話をお求めなら楽しめるかと。
・「うた恋い。3」杉田圭
「うた恋い」シリーズの新刊ということで早速買いました。アニメも夏から放送されるそうで、もう物凄く楽しみですが、できれば夜の時間に放送して頂けるといいなあ。昼や夕方だと確実に仕事で見られない……。
この3巻では、清少納言と、1巻で取り上げられた藤原義孝の息子である行成を中心に紹介されています。義孝の親友である道隆の恋も描かれていて、個人的には彼の口説き方が面白かったです。道隆さん、意外とパワフルに口説かれていたんですね。
清少納言は、先の「源氏 物の怪語り」でも触れたように、清々しいくらいに潔い性格だったようですが、この巻でもそのように描かれています。今と違って、男尊女卑がはっきりしていた中で、清少納言は豊かな知識を生かして宮廷生活を送っていたとあります。中宮定子に仕えてもいて、彼女に非常に誠意を抱いていたようで、枕草子にもそれを込めていたのだなと分かります。
彼女と行成の関係が変化していく様もしっかり描かれていて、くっつきそうでくっつかない、近いようで遠いような関係がたまりませんでした。
シリーズですが、単独でも読めるのでお勧めです。この調子で是非続きを出して頂きたい。
・「銀色ふわり」有沢まみず
雪が降りそうな冬のある日。雑踏の中で僕は一人の女の子とすれ違った。銀色の髪の、綺麗な少女。なぜか、目が合った僕のことを驚いた顔で見つめていて……。でもそれはたった一度の偶然の出会い。何も起こることはない、はずだった……。だけど数日後、僕は見知らぬ男女に連れられてその少女と再会する。デジタルツールを使わなければ誰からも知覚されず、誰のことも知覚できない“黄昏の子供たち”と呼ばれる特異な子供たち。少女は新たな進化の鍵を秘めたその“黄昏の子供たち”の一人だった。互いに孤独を秘めた少年と少女が出会う、せつなくあたたかい物語。(あらすじ引用しました)
あまぞんでのレビューがよかったので読んでみました。思い切りライトノベルなので、さくさくっと読めましたが、時折えぐい表現があるので、苦手な方は注意した方がよいやも。
母親に抱っこされている子供の安心感、というのがとても印象に残る話でした。誰からも見ることができず、また、自分からも誰も見ることができない子供は、それゆえに母親のにおいもかげない、という場面があって、安心感を得ることができないというところが痛ましいと思いました。
あらすじ通り切ない話ですが、あたたかいかどうかはちょっと疑問です。話の中に、黄昏の子供たちがどうなるかも出ているので、それを考えるとちょっと残酷な話ではないかなと思います。
・「本当は恐ろしいグリム童話」桐生操
先日読んだ「グリム童話」が怖いながらも面白かったので、他の話も読んでみたいなあと思ったら、福岡への旅行で、福岡の書店でこのシリーズを見つけたので全巻買いました。
この本には「白雪姫」「シンデレラ」「蛙の王子様」「青髭」「眠り姫」「ネズの木」が収められています。「白雪姫」は怖いと聞きましたが、本当に怖いなこれ! 親子揃って恐ろしいことを仕出かしおるよ!
「白雪姫」は、子供向けの童話は綺麗に脚色されていると知れるものです。こちらに収められている方の話は、ネタバレになってしまいますが、近親相姦がはっきり描かれています。父親、母親にとっては夫となる人の愛情を争うという関係が母親と娘の間にあって、それがいつの間にか殺し合いになるという……こんなに怖い関係はいやだ。
「シンデレラ」も、三人の義姉が鳥に目玉を――というえぐい仕打ちを受ける場面があります。シンデレラ自身は清いままで、彼女自身は手を下さないのですが、その辺りがかえって恐ろしく思いました。彼女自身が手を下さなくても、彼女にとっていいようになるというのは、なんだかうすら寒い気がします。
「青髭」と「眠り姫」も、それぞれに恐ろしい話でしたが、一番恐ろしいと思ったのは、最後に収められている「ネズの木」ですね。何も知らずに食べるお父さんもそうですが、それ以上に、仕返しをする男の子が怖かったです。こんなに残酷な話が問題にならなかったということがあとがきにあって、愕然としました。今の時代に生まれてきてよかったと鳥肌の立った腕をさすりましたよ……。
しかし、昔も今も、継子と親の関係はうまくいかない(そうでないところもあると思いますが)ものですね。
二巻と三巻も買ったので、読み次第感想をこちらに上げます。
・「マリー・アントワネット 運命の24時間」中野京子
悲劇の王妃であるマリー・アントワネットを知らない人はあまりいらっしゃらないんじゃないかと思います。この本は、マリー・アントワネットが王を含む家族と一緒に亡命しようとした日に起こった出来事が、まるで見てきたかのように細かく描かれています。作者はとても色々調べられたようで、それぞれの人物も多分この時はこう思ったんだろうなということがリアルに綴られています。
マリー・アントワネットだけでなく、フェルゼン、ルイ、子供たちなど、王族とその関係者などが主な登場人物で、彼らがどんな結末を辿るのかはもう知っているのですが、それでも緊迫した空気があって、どうなるのだろうと読んでいてハラハラしました。
作者なりの解釈もところどころ加えられていて、確かに、と頷くこともありました。特にフェルゼンのくだりには膝を打ちましたね。マリー・アントワネットが、本当に市民達の噂通りの人物なら、どうしてフェルゼンのように賢明な人物が死ぬまで愛情を寄せていたのだろうか――そのような解釈もあって、ああ、と思わず声を出しました。
マリー・アントワネットやその家族は、本当に、時代に翻弄されてしまった悲しい人達なのだな、と、読みながらつくづく思いました。
・「芸術家達の秘めた恋――メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代」中野京子
19世紀後半、ロマン主義全盛の時代を生きた作曲家メンデルスゾーンと作家アンデルセン。生まれも容貌もまるで正反対の二人を結びつけたのは、奇跡の歌声を持つ歌姫だった。三者三様の想いを胸に秘め、創作活動に没頭する彼らを待ち受ける過酷な運命とは……。(あらすじ引用しました)
歌姫というのはジェニー・リンドのことです。大学でもアンデルセンを専攻した講義があって、それを受けたので、アンデルセンの伝記のような映画も見たんですが、その映画ではリンドはずるい女性というように撮られていました。人によって捉え方は違うと思いますが、この本では、むしろ、うまく意思表示ができないために、うまく断っているつもりでも理解して貰えないというように描かれています。
読めば分かるように、アンデルセンはちょっと――というか、ひとによっては眉を顰めるくらいに困ったところもあったようで、その辺りもきちんと描かれていました。また、もうひとり、メンデルスゾーンにも焦点が当てられています。彼は「幸せな音楽家」と言われていますが、それだけではなかったということが丁寧に語られています。
三人のそれぞれの苦悩や葛藤を交え、不思議な運命を、作者は上手に描かれていると思います。彼らのうち一人でも興味がありましたら読んで損はないかと。
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ちょっと急ですが、お知らせです。
4月29日の夜にチャット会を開こうと思います。
詳しくは下記の通りです。
日時 4月29日
時間 21:00~24:00
場所 サイトトップ(サイトトップにチャット会場へのリンクを繋げます)
読者の方とお話しする機会はなかなかないので、お勧めの本や連載小説の感想、またペットのあれこれなど、色々お話できたらと思っています(^^)
ただし、ネット上とはいえ、マナーも大事ですので、相手を不愉快にするような言動はお慎み下さいますようお願い致します。
参加をお待ちしております。
では以下、拍手返事です。
>聖騎士さんへ
「長い夜の果てに」へのご感想、有り難うございます。人間関係、複雑でしょうか? わたしとしては、複雑な人間関係は苦手ですし、書きにくいので、シンプルに書いているつもりなんですけれども……。これから色々落ち着くほうに向かいながら、あれこれ掘り下げていきたいと思いますので、もう少しお付き合い下さると嬉しいです。
>二千花さんへ
29日、大丈夫ですか、よかった。上に書いたとおりに予定していますので、是非いらしてくださいね。本やサイトに掲載している小説の感想など、聞いてみたいことがたくさんありますので、楽しみにしています。
グリム童話を調べたことがあるのですか。大学生の時、学校の図書館に「本当は恐ろしいグリム童話」(だったかな?)という本が全集そろえられていたのですが、なんとなーく手を出さず……。あの時読んどきゃよかったと今は後悔してます。あの大学の図書館は宝庫だったよ……!
それでは、チャットの時にまたお会いしましょう(*^^*)
>凍て月の鬼の小説は~の方へ
「凍て月の鬼」をお読み下さったようで、有り難うございます! 実は「凍て月の鬼」を読んで下さっている方はあまりいらっしゃらないのかしら……とちょっと気になっていたので嬉しいです。有り難うございます(嬉しかったので二回目)。
逆ハーレムのつもりではないのですが、やはりそう見えますかね(^^;) 玉響に好意を寄せているのは頭だけという設定なんですけれども。頭につくあの二人は玉響に大しては忠誠のこもった友情を寄せていると思われます。その辺も本編で書きたいですが、今は追憶編ですので、もうちょっと先になりそうです。
今は「長い夜の果てに」が調子がいいので、こちらが終わった後にまた思い出したように更新すると思います。結構気まぐれなサイトですので、気長にお付き合いいただければ……(汗)。
ではまたのお越しをお待ちしております。
4月29日の夜にチャット会を開こうと思います。
詳しくは下記の通りです。
日時 4月29日
時間 21:00~24:00
場所 サイトトップ(サイトトップにチャット会場へのリンクを繋げます)
読者の方とお話しする機会はなかなかないので、お勧めの本や連載小説の感想、またペットのあれこれなど、色々お話できたらと思っています(^^)
ただし、ネット上とはいえ、マナーも大事ですので、相手を不愉快にするような言動はお慎み下さいますようお願い致します。
参加をお待ちしております。
では以下、拍手返事です。
>聖騎士さんへ
「長い夜の果てに」へのご感想、有り難うございます。人間関係、複雑でしょうか? わたしとしては、複雑な人間関係は苦手ですし、書きにくいので、シンプルに書いているつもりなんですけれども……。これから色々落ち着くほうに向かいながら、あれこれ掘り下げていきたいと思いますので、もう少しお付き合い下さると嬉しいです。
>二千花さんへ
29日、大丈夫ですか、よかった。上に書いたとおりに予定していますので、是非いらしてくださいね。本やサイトに掲載している小説の感想など、聞いてみたいことがたくさんありますので、楽しみにしています。
グリム童話を調べたことがあるのですか。大学生の時、学校の図書館に「本当は恐ろしいグリム童話」(だったかな?)という本が全集そろえられていたのですが、なんとなーく手を出さず……。あの時読んどきゃよかったと今は後悔してます。あの大学の図書館は宝庫だったよ……!
それでは、チャットの時にまたお会いしましょう(*^^*)
>凍て月の鬼の小説は~の方へ
「凍て月の鬼」をお読み下さったようで、有り難うございます! 実は「凍て月の鬼」を読んで下さっている方はあまりいらっしゃらないのかしら……とちょっと気になっていたので嬉しいです。有り難うございます(嬉しかったので二回目)。
逆ハーレムのつもりではないのですが、やはりそう見えますかね(^^;) 玉響に好意を寄せているのは頭だけという設定なんですけれども。頭につくあの二人は玉響に大しては忠誠のこもった友情を寄せていると思われます。その辺も本編で書きたいですが、今は追憶編ですので、もうちょっと先になりそうです。
今は「長い夜の果てに」が調子がいいので、こちらが終わった後にまた思い出したように更新すると思います。結構気まぐれなサイトですので、気長にお付き合いいただければ……(汗)。
ではまたのお越しをお待ちしております。
読書状況です。積読本を片付けなければ……! でも「長い夜の果てに」も書きたい。あうう。
・「大人もぞっとする初版グリム童話」由良弥生
これから寝かしつけようという幼い子供に、手足を切断するような話など、とてもできない――。そんな批判を受けて改筆される以前の初版「グリム童話」では、残酷な刑罰、男女の性愛なども、開けっ広げに語られていました。夢のように見えるおとぎ話の中に隠された残酷、狂気、不道徳の世界、そして、当時の人々のアクの強い知恵を、感じて下さい。(あらすじ引用しました)
この本は、タイトル通り、子供向けではないグリム童話が収められています。収められているのは「ヘンゼルとグレーテル」「トゥルーデおばさん」「長靴をはいた猫」「わがままな子供」「灰かぶり(シンデレラ)」「千匹皮」「赤ずきん」「ガチョウ番の娘」「兄と妹」の9つの話です。どれも割と怖かったですが、中でも印象に残ったのは「わがままな子供」と「千匹皮」の話でしょうか。
「わがままな子供」はあまり聞いたことがないかな? と思います(わたしは聞いたことはないので)。両親に甘やかされてわがままに育った子供が、両親の懸命な言葉にも耳を貸さないでいるうちに、不治の病にかかって死にます。その子供は葬られますが、やがてその墓から腕が生えてきて、それは何度埋め直しても何度も生えてくるので、とうとう大司教のアドバイスにより、母親があることをする――という話です。わがまま放題な子供が、悔い改める機会も与えられずに死ぬ点がこの話の怖いところだと、この話の後にある解釈にありますが、本当にその通りだと思います。
「千匹皮」は、妃に先立たれて悲嘆に暮れていた王が、妃にそっくりな自分の娘を妻にしようとする話です。これは聞いたことがある人はいらっしゃるんじゃないかな。最後はとても矛盾した結末になっていて、かなりもやもやしました。娘の方も、最初のうちは父が自分を妻にしようとすることに怯えていたはずなのに、最後は――ですからね。うーん。昔話はその時代を反映しているといいますが、こんな恐ろしい時代があったというだけでぞっとします。ちなみに、今こっそり書いている「竜と姫君」はこれを読んで考えた話だったりします。
・「読むだけですっきり分かる日本史」後藤武士
世界の中でも類稀なる急成長を遂げてきた国、日本。この国の歴史は、良い時代、悪い時代それぞれに生きた先人たちの、貴重な体験談の宝庫である。わたし達現代人にとっても、人生をよりよく生きるためのヒントが満載だ。本書は、その歴史を完全網羅。そして、教科書では取り上げられな目から鱗の意外なエピソードも紹介。(あらすじ引用しました)
いやー、これは興味深く読めました。なぜ日本史かというと、高校時代に選択したのが日本史だったからというのと、今書いている「凍て月の鬼」の昔話の時代をちょっと詳しく調べておきたいというので。学校で配布される教科書は無味乾燥で、この時に何が起きた、こうなった、と淡々と語られるだけですが、この本は、どんな理由や原因があって起きたのか、その後どうなったかというが語られています。それが興味をそそられました。
そういえば、水曜日に「今夜はヒストリー」という番組があって、毎週見ているのですが、この番組の内容もできれば本にして頂けないかなと密かに思っています。こういう授業だったらもっと頑張って勉強してたよ! orz
読むだけですっきり分かるシリーズは他にもあるので、読もうかどうかちょっと揺れてます。
・「中途半端な密室」東川篤哉
テニスコートで、ナイフで刺された男の死体が発見された。コートには内側からカギがかかり、周囲には高さ四メートルの金網が。犯人が内側から鍵をかけ、わざわざ金網をよじ登って逃げた? そんなバカな(^_^; 不可解な事件の真相を、名探偵・十川一人《とがわ・かずひと》が鮮やかに解明する(表題作)。謎解きの楽しさとゆる~いユーモアがたっぷり詰め込まれた、デビュー作を含む初期傑作五編。(あらすじ引用しました)
あらすじにある顔文字は本当に本のあらすじにも表示されているので、気になる方は書店でお確かめ下さい。
この本にはあらすじ通り、五編が収められていますが、わたしが印象に残ったのは最初の話です。中途半端な密室、というタイトルで、これは婦女暴行事件と変死事件が同じ日に起こり、それを新聞で知った探偵が推理し、その推理を知人が聞く――という話になっています。新聞だけで推理ができるのかとちょっと驚きましたが、読み進めるにつれて、なるほど、と感嘆しました。頭のいい人なら簡単に分かるんだろうな。しかし、婦女暴行事件は、わたしも女ですから、こういう事件はたとえフィクションでも起こって欲しくないなと思います。
「謎解きはディナーの後で」で有名な作家さんですが、これからもユーモアあふれるミステリ作品を期待しています。個人的には「謎解き~」シリーズをまた書いて頂きたいです。あの執事とお嬢様のやりとりがたまりません。
・「吉原夜伽帳」ミズサワヒロ
江戸の遊郭――吉原。外道菩薩と呼ばれる美貌の青年・弥太郎には、〝死んだ人間が見える〟という噂があった。ある日、奇妙な来客を受けた弥太郎は、一人の元遊女の不審な死について調べ始める。その矢先、彼が廓内で唯一気にかける少女に異変が起きて? 胸に秘めた恋心、愛憎入り混じる肉親への情。吉原に生きる者達が抱える、心の闇に「鬼」が憑く――。死者を映す瞳が暴く、鬼の正体とは? 美しき吉原幻想鬼譚。(あらすじ引用しました)
これはあらすじ通り、吉原に生きる人達の話で、全体的に哀しい雰囲気があります。特に最後に明かされる、死んだあの人の心情は、「長い夜の果てに」の義道さんに通じるものがあって、印象に残りました。でも最後には納得できる終わりだったので、その点はよかったです。
らぶらぶ要素……は、どうだろう。末葉と弥太郎がそうじゃないかなという雰囲気はありますが、舞台が吉原ですし、その先は書かれていないので、想像で補うしかないのがちょっと惜しいところです。
弥太郎が末葉を止める場面の挿絵がすごくよかったです。
・「エージェント・コード~恋の陰謀は執筆の後で~」瑞山いつき
小説家のカルは、原稿から逃げ出す口実に向かったパーティーで、銃を構え空から降ってきた少女・ライザと出会う。国家の極秘命令をこなす諜報員だという彼女は、「賢者の石」を奪った秘密結社に追われていた。ライザの逃走劇にカルは巻き込まれることになり……?(あらすじ引用しました)
スパイものがお好きな方なら楽しめるんじゃないかなと思います。わたしはアクションものとかは特別好きというわけではないですが、しかし、秘密結社にありがちなぶっ飛んだ人が出てくると、うわあ、となります。このお話にもそういう人が出てきて、平気でヒロイン達を傷つけようとします。
でもそれよりもっと怖い人が出てきて、その人の愛情の裏に垣間見える、何と言うか、悪意というか、なんだろう……。愛情ではあるけれど、深すぎるがゆえの愛情とでも言うんでしょうか。最後の方にある台詞に垣間見えるその愛情表現にぞっとしました。こんな人が家族だったら嫌だわ……。
最後の挿絵が微笑ましかったです。あの二人が無事恋人同士になれるといいな。お兄さんの愛情表現を遠ざける意味でも(切実)。
・「幾星霜の夜を超え」友藤結
時は寛永8年。天涯孤独の青年・狂四郎は、ある男との戦いで不老不死となってしまう。永い孤独な放浪の末に平成の世で出会ったのは、己を不死へと変えた憎き敵の子孫の時乃。復讐のために時乃に近付く狂四郎だが、時乃の優しさに心が次第に癒され――。(あらすじ引用しました)
これは「吉原夜伽帳」と同じく、二千花さんにお勧めいただきました。有り難うございます。
狂四郎は、最初のうちは人間不信気味だったのですが、時乃に出会ってから、少しずつ周りの人達の優しさに触れていきながら成長していきます。彼を不老不死にした人も意外な形で出てくるので、彼とのやりとりも見逃せませんでした。
印象に残ったのは、「さみしい」という場面です。あれにはやられました。あれは反則やろ……。狂四郎、成長したなぁ……としみじみしました。この後に送られる狂四郎の新しい人生はきっと楽しいものになるでしょうね、いろいろ。
個人的には巻末おまけがつぼでした。時乃さん、ファッションセンスがあれですね……。
ドロドロ要素が少ない――というか、ない? ので、ドロドロ要素が苦手な方は楽しめると思います。
以下、拍手返事です。
>二千花さんへ
こんにちは。メッセージ有り難うございます。
GWはいつでもいいですか、それはよかった。ただこちらは旅行に行く予定があるので(久し振りな旅行です)、できれば4月末くらい、29日がちょうどいいかなと思うのですが、どうでしょうか。部活でお忙しいでしょうか? ほんとに無理はしなくていいので。
それと、遅くなりましたが、読書状況を上げました。またお勧めの本があれば教えてくださると幸いです。
ではまた遊びに来てくださいね。
>聖騎士さんへ
「長い夜の果てに」へのご感想、有り難うございます。いつもニヤニヤしながら読ませていただいてます(笑)。
峰沢先生については、彼女と彼女の友人に焦点を当てたお話「A Sharp Child」があるので、よければどうぞ。彼女がどうしてあんな人脈を持ってるのか、その答えもあります。ただ、長いので、お時間のある時が望ましいかと。
ではまたのお越しをお待ちしております。

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