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 結構間が空いてしまいました。時間はあるんですが、見たいテレビがあったりチーズケーキを作ったり気力がなかったりでなかなか……。
 まあ、わたしのそんな近況は置いておいて、今回は久し振りに読書状況いきます。
 
 


・「モップの精は深夜に現れる」近藤史恵著
 これは以前紹介した「モップの精と二匹のアルマジロ」のシリーズです。二作めとのことですが、単独でも読めると思います。
 短編連作というのでしょうか。短編くらいの長さで、それぞれ別の人の視点で語られますが、全部の話に共通して、一人の掃除人・キリコが出てきます。出てくる登場人物は皆、何かしらの仕事をしていて、失恋や家族の問題などにぶつかりますが、それをキリコが解決する手伝いをする――という内容になっています。
 これは先が気になって一気に読みました。印象に残ったのは最後の大介の話でした。キリコの旦那さんの視点で話が進められるのですが、キリコさんの職業柄、誤解されることもあるという場面があって、全部知っているわけじゃないのにやたらと文句を言うのはどうかと思いました。後で知った時に悔やんでも知らんよと読みながら思いました。
 ほのかに温かいミステリなので、温かい気分になりたい時にお勧めです。
 


・「ブロードアレイ・ミュージアム」小路幸也
 1930年代のニューヨーク。裏通りの小さな博物館〈ブロードアレイ・ミュージアム〉の収蔵品は一風変わったものばかり。そこでは、物に触れると未来を予知できる不思議な少女フェイとわけあり個性派ぞろいのキュレーターが、悲劇を防ぐべく日夜活躍している。(あらすじ引用しました)
 これも上の「モップの精」と同じく、短編連作のような形になっています。この博物館でキュレーターとして働く青年・エドワードの視点で話が進められます。中にはちょっとあり得ないのではないかな、と思うような設定もありますが、楽しく読めるので問題なし。
 印象に残ったのは最初の話です。ちょっとかたぎではない人に見初められてしまった女性がいて、でもその女性には恋人がいて、二人で逃げようとしますが、断られてしまった方は恥をかかされてしまったために二人とも追い詰めます。そこをキュレーターの皆さんが何とかして収めますが、権力とかの力がある人ってタチが悪いよなあ、と思いました。振り回される方はたまったものじゃないよな、とも。下手すると人生狂わされるんですから。
 こちらも温かくなる話です。
 


・「チョコレートコスモス」恩田陸
 芝居の面白さには果てがない。一生かけても味わいつくせない。華やかなオーラを身にまとい、天才の名をほしいままにする響子。大学で芝居を始めたばかりの華奢で地味な少女、飛鳥。ふたりの女優が挑んだのは、伝説の映画プロデューサー・芹澤が開く異色のオーディションだった。これは戦いなのだ。知りたい、あの舞台の暗がりの向こうに何があるのかを――。少女たちの才能が、熱となってぶつかり合う。(あらすじ引用しました)
 恩田さんの作品を多く読んだわけではないので確信はないのですが、「ドミノ」のように、この作品も登場人物が多いです。でもそれぞれちゃんと立っていて、読んでいるうちに把握できるようになりました。なんせ厚いですからね。読みやすい文章というのもあります。
 わたしは芝居は見に行かないのですが(耳が聞こえないので何を言っているのか分からないためです)、芝居でも結構アドリブやキャラの掴みや表現なんかが問われるのだなと、ひしひし感じました。特に飛鳥さんの芝居には。飛鳥さんは芝居を始めたばかりだそうですが、彼女の特殊な性格がこれからどうなっていくのか、非常に気になります。
 あ、ちなみに、わたしはこの本を読み切りだと思って買ったのですが、読んでみたら続きがあると知ってちょっとびっくりしました。まあよく確認しなかったわたしが悪いんですが、どう収束するのかちょっと分からないので、楽しみです。
 芝居ものがお好きな方にはおすすめかと。
 


・「妖奇庵夜話 その探偵、人にあらず」榎田ユウリ
 タイトルにある「奇」は本当は別の漢字なのですが、環境依存文字なのでこの字に代えました。
 突如発見された妖怪のDNA。それを持つものを「妖人」と呼ぶ。お茶室「妖奇庵」の主である洗足伊織は、明晰な頭脳を持つ隻眼の美青年。口が悪くてヒネクレ気味だが、人間に溶け込んで暮らす「妖人」を見抜く力を持つ。その力のせいで、伊織のもとには厄介な依頼が絶えない。今日のお客は、警視庁妖人対策本部、略して“Y対”の、やたら乙女な新人刑事、脇坂。彼に「油取り」という妖怪が絡む、女子大生殺人事件の捜査協力を依頼された伊織は…。(あらすじ引用しました)
 この話では人間だけど人間とは異なる遺伝子を持つ存在である妖人がいるという設定になっています。妖怪とごっちゃになりそうですが、その違いは、警察が頼りにする探偵(表紙を飾っている麗しい人です)が丁寧に説明してくれます。事件も彼が解決の手伝いをするんですが、それも警察になったばかりの彼がいなければ無理だったんじゃないのかなと思います。
 この本を読んでいる間はずっと、女の人って怖いなあとビビってました。割とえぐい表現が出てきますので、その辺はちょっと念頭に置いておいた方がいいかもしれません。
 続きがあるそうなので、今度買う予定です。
 


・「ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件」七尾与史著
 静岡県浜松市で、人間が生きたまま次々と焼き殺される、残虐な連続放火殺人事件が起こる。被害者は、元やくざ、詐欺師、OL、主婦、歯科医など様々で、何の手がかりもない。それなのに、県警からやってきた高慢ちきな美人刑事・黒井マヤは、殺人現場で「死体に萌える」ばかりで、やる気ゼロ。相棒の代官山脩介は、そんなマヤに振り回されながらも、被害者の間で受け渡される「悪意のバトン」の存在に気付くが――。(あらすじ引用しました)
 これは本屋で、「死体が見たいから、刑事になったに決まってるでしょ!」という帯にあったアオリに惹かれて手に取ったものです。内容はというと、確かにこの話に出てくる美人の刑事は、読んでいてちょっと引くほどのえらい性格をしています。こういう人が本当にいたらちょっと嫌だと思いました。
 事件は確かに「悪意のバトン」なるものがあって、それが繋がっているということが判明したのですが、最後に明かされる真相には何とも言えない気分になりました。「道化の夢」でもちょっと出てくる、バタフライ効果って、あれ、正式には「バタフライ・エフェクト」っていうんですね。それの悪い結果というのか、そういうお話になっています。
 個人的には、美人の刑事さんにはもうちょっと良心があるとよかったです。

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