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読書状況
2012.01.09
 久し振りの読書状況です。けっこう長いので、お時間のある時にどうぞ。
 


・「電撃デイジー 10」最富キョウスケ
 暗号ウイルス・ジャックフロストを復活させようとしていた組織が壊滅し、その件にアキラが関わっていたことが判明。しかも黒崎に接触してきたアキラは、ジャックフロストに関する事件が終わっていないこと、まだ照を狙っていることを匂わせる。そんな時、「黒崎の秘密を知っている」という人物が照に取引を持ちかけて――。(あらすじ引用しました)
 最初の話は丸々コメディでした。前巻(8、9巻)までは割とシリアスな展開が続いていたので、こういう笑える要素もてんこ盛りの路線に戻ってくれて嬉しいです。シリアスも好きですが、やっぱり皆さんがわいわいやってくれてる方が微笑ましいなと。たとえば校務員さんがチェーンソーを手に邪悪な笑みを浮かべたり、照が裏拳を決めたり、照の友人が中々くっつかないふたりにやきもきして照にあんなことをしたり、喫茶店の店主と理事長が揃って校務員さんに一発食らわせたり、生徒会長と照の友人であるあの人がもしやという雰囲気になったり。いろいろ楽しませていただきました。
 コミカルで、でもヒーローがやるときにはやるという漫画を読みたい方にはお勧めです。
 


・「八潮と三雲 4」草川為
 命が九つあるという九生猫が住む不思議な猫社会で、名前の更新をさせる仕事・取り立て屋をする八潮と三雲とその周りの人達(猫達?)の話です。
 取り立て屋として知名度が上がった八潮と三雲に偽物登場。二人の名を騙って開催された合コンに、八潮と三雲も素性を隠して参加するのだが……? 九生猫社会に人間の子供が入り込んだり、四束の恋バナ、しー君再登場、と盛りだくさん。(あらすじ引用しました)
 あらすじ通り、色々盛りだくさんな巻でした。前巻の次巻予告のページで笑いを狙ってるとしか思えないコマが載っていたと、以前の読書状況で書きましたが、この巻の帯にもしっかり採用されていました。どうやらこのコマは編集の方でもインパクトがあったようです。
 この話は基本的に一話読み切りだったのですが、この巻の最後の話は続きものでした。三雲がしー君を助けるためにあるエリアのボスに助けを求めたことがあり、そのボスが今三雲のいるエリアまで追ってくるという話です。三雲に執着するこのボスは、三雲が今いるエリア、一色(エリアのボス)たちが「オレオレオレ……」と心で呟くほどの俺様兼ナルシストで、わたしとしてはあんまりお近付きになりたくないタイプです。ナルシストでも当サイトの「ASC」に出てくる隼人兄さんとは違うなあと。
 まさかなところで終わっているので、次巻が待ち遠しいです。八潮がかっこよく三雲を助けるところが見たい。
 


・「夏目友人帳 13」緑川ゆき
 ある日、祓い屋一門の頭首・的場からの手紙を受け取った夏目。ところが、読む前にそれをなくしてしまう。内容が分からず不安を覚える中、的場本人が現れる。彼の目的とは――? 夏目と友人・西村と北本の出会いや交流を描いた特別編2話も収録。(あらすじ引用しました)
 この巻では夏目が苦手な的場さんが出てきます。彼の頼みにより、夏目は渋々協力することになりますが、解決するまでに的場さんは何度も夏目に的場一門に入るように勧めます。夏目はもともと妖が見えるので、その力が欲しいという下心があってのことですが、夏目は友人帳の存在を知られるわけにはいかないと断ります。
 的場さんのことはわたしもあんまりいい印象は持っていなかったのですが、この巻でちょっと変わりました。的場さんはいい人とは言えませんが、だからと言って悪い人でもなくて、ただ単に腹黒い人だというだけなんだよなと。まあ、腹黒くてもちょっと……な人もいらっしゃるかも知れませんが。彼は彼なりに妖との付き合い方があるんだと知れた巻です。
 他にも友人との出会いと交流の話があり、心温まります。西村と北本が、転入生が来たと興奮して、その後すぐに男子だと知ってテンションダウンするところが特に微笑ましかったです。
 切なくて、でも温かい話がお好きな方には是非。
 


・「カナクのキセキ」上総朋大
 千年前、マールと呼ばれる深紅の髪の魔女がいた。マールは、世界を放浪しながら“魔法”を人々に授けた尊き女性だ。魔法学校を卒業した僕・カナクは、ある目的を胸に秘め、彼女が大陸各地に遺した石碑を独りで辿ることを決意したのだけど、なぜかその旅に、学校一の魔法の天才にして美少女、そしてセレンディア公の娘であるユーリエが同行することに。それは、甘く切ない恋の道のり、そして、思いがけない真実へと至る不思議な旅の始まりだった。(あらすじ引用しました)
 これは聖騎士さんに教えて頂いたものです。
 ファンタジーですが、ライトノベルなので、さくさくと読めます。デビュー作だからか、文章がつたないなと思うところが多く、また、都合が良すぎるんじゃないかなという展開も多く見られました。ただ、結末は思わぬものだったので、ちょっと驚きました。そういう終わりだとは予想できなかったので。
 この話には「マナ」という専門用語が出てきたり、主人公の秘密が出てきたりするのですが、そのどちらもあまり詳しくは説明がされません。いやまあ、そういうものなのかなと漠然と想像はできますが、よくよく世界観が練られていないというか……。うーん。
 わたしは読み応えのあるものが好きなのでちょっと物足りなかったですが、本を読み始めたばかりの方に向いてると思います。
 


・「竜宮ホテル 迷い猫」村山早紀
 作家の響呼は、異界の住人が見える左目を持ちながら、その力と、それゆえに見える世界を否定して生きてきた。だが、住まいの古アパートが崩壊し呆然としていた響呼は、その傍らで泣く猫の耳としっぽのある少女と出会う。倒れてしまった少女を連れ、今はアパートとなっているというクラシックホテル「竜宮ホテル」で世話になるが、そこは、美しくもどこか不思議な場所で……。(あらすじ引用しました)
 「コンビニたそがれ堂」シリーズの作者が書かれたものです。表紙のイラストが印象的で思わず手に取った後にそうだと知ってすぐにレジに直行しました。
 全体的に温かな話で、不思議ながらもひたむきにあろうとするひとたちが描かれています。管狐という可愛い生き物も出てきて、動物好きとしてはこの子達が動く度にもうたまりません。ただ、途中でタイムトリップという展開もあって、あれ、とちょっと戸惑いました。不思議なら何でもあってもいいということなのかしら……。うーん。
 この作者は、長編よりも「コンビニたそがれ堂」などの短編が向いてるんじゃないかなと思いました。
 個人的には「コンビニたそがれ堂」シリーズの続きが出て欲しいなと思います。
 


・「首《おびと》の姫と首なし騎士 いわくつきの訪問者」睦月けい
 大陸の中心・フォルモント国は、只今国王不在の非常事態。末っ子姫のシャーロットは、懸命に政務を摂る兄王子レイフォードを手伝って大忙し。しかし仕事にやりがいを感じ始めたある日、何と命を狙われてしまう。最強騎士アルベルト・ホースマンに守られことなきを得るが、首謀者は不明。混乱するシャーロットは、前王の帳簿を探る中、誰かが長年に亘り国庫を横領していると気付き――。(あらすじ引用しました)
 待っていた続巻が出て、早速買いました。行きつけの書店は残念ながら発売日から遅れて入荷されることが多いので、あまぞんででしたが。
 一巻ではシャーロットの父親と兄との攻防戦でしたが、二巻では、シャーロットの命を狙う者と、王族側の攻防戦が描かれています。オーガやクラウンなど、世界観もしっかり練られていますし、それぞれの登場人物もしっかり立っています。特に首なし騎士。首なし騎士という通り名に違わず活躍してくれます。活躍と言えるかどうかはちょっと迷うところですが、そこに彼の性格が表れているので、わたしとしては良しです。寧ろ歓迎します。周りにいる人達はちょっと可哀想ですが。
 シリーズ化されたようで、四月に三巻が出るそうです。待ち遠しい。ただ、あんまり長く続かないかとちょっと心配です。「戦う司書」シリーズや「ゴーストハント」シリーズのように、程よい長さで終わっていただきたいなと。……スペース的な事情もありますが。
 


・「バッカーノ! 1711」成田良悟
 1711年、彼らはついに海に出る。新大陸に向け――。それぞれの心の中に吹き荒れる風を受けて――。
 マイザー・アヴァーロは探求の風。
 セラード・クェーツはやシンの風。
 ヴィクター・タルボットは責務の風。
 ベグ・ガロットは研究心の風。
 東郷田九朗とザンクは義侠の風。
 グレットとシルヴィは逃避の風。
 ナイルは恩義の風。
 チェスは他人の風に吹き流されて……。
 多くの錬金術師が大海原へと旅立つ中、失意のヒューイ・ラフォレットは――。
 『不死の酒』を巡る馬鹿騒ぎ、“始まりの物語”の結末は――。(あらすじ引用しました)
 この巻では、ヒューイとエルマーとモニカの三人が若い頃の続きが描かれています。「バッカーノ!」シリーズでおなじみの人達がどのようにしてあの船に乗ったのか、その経緯になっています。
 特に印象に残ったのはやっぱり、チェスの育ての親的なあの人です。この頃はまだチェスもあの人がああいう人だとは知らないので、よく懐いていて、周りの人達も、善人だと思い込んでいます。まあ、あの人がそういう風に振る舞っていたから無理もないんですけれども、その後に待ちうける展開をもう知っているだけに、読みながら、えぐいなあこの人、と思いました。でもあの人にも天敵だと認識する人がいるようなので、その点はちょっとほっとしました。
 今後、作者は他に手掛けていらっしゃるシリーズに取り掛かるようなので、この続きが出るのはちょっと先になりそうです。
 


・「ゴーストハント6 海からくるもの」小野不由美
 日本海を一望する能登半島で料亭を営む吉見家。この家は代替わりの度に、必ず多くの死人を出すという。依頼者・吉見昭文の祖父が亡くなった時、幼い姪・葉月の背中に不吉な戒名が浮かび上がった。一族にかけられた呪いの正体を探る中、ナルが何者かに憑依されてしまう。リーダー不在のSPRに最大の危機が迫る。(あらすじ引用しました)
 漫画でどんな話かは知っていたんですが、文字で読むとなると印象がまた違うというか……。あらすじにもある通り、死人がたくさん出るという話を、SPRの御馴染みの面々が吉見家の人から聞く場面があるんですが、それを読んでいて壮絶だと思いました。登場人物も「壮絶だな」と零しているくらいです。
 この巻では、今まで活躍することのなかったあの人が活躍します。活躍といえば、何者かに憑依されたナルも、そのせいでぶちぎれてとんでもないことをやらかす場面もあり、こちらも印象に残りました。漫画でも印象に残ったからかもしれませんが。
 今まで通り、この巻でも、霊関係の現象などの説明が細かくなされており、重厚なストーリーになっています。でも主人公の性格の御蔭で重苦しくなっていないと思うので、ホラーは好きだけど、胡散臭いのは嫌だという方にはおすすめかと。
 


・「ゴーストハント7 扉を開けて」小野不由美
 能登の事件を解決し、東京への帰路に着いた一行は、道に迷ってダム湖畔のキャンプ場に辿り着いてしまう。ナルの突然のSPR閉鎖宣言に戸惑う麻衣たちは急きょ、湖畔のバンガローに滞在することに。そこへ舞い込んだ、廃校になった小学校の調査依頼。幽霊が出るという後者には恐るべき罠が仕掛けられていた――。全ての謎が明らかにされる最終巻。驚愕の真実とは。(あらすじ引用しました)
 小学校の調査を依頼するおじさんたちに割とイラッとしました。本当です。この人達、下手に出てるんですけど、隠し事が多くてSPRの面々にも胡散臭がられるんですが、それもそうだよなあと思いました。まあ、事件が無事解決した後でもっといたたまれない思いを味わうでしょうから、ざま……いえ、自業自得ですね。
 漫画ではぼーさんが推理しながら全ての謎を明らかにするんですが、こちらではぼーさんが麻衣にヒントを与えて、それを受けて麻衣が少しずつこうじゃないかとあれこれ考えを巡らせて、そうして真実が明らかにされるという展開になっています。あの人も出てきて、推理に一役買っています。
 改版前は少女小説だったそうで、少女小説にありがちなご都合主義的な終わりになるんじゃないかという危惧の声もあったようですが(あまぞんのレビューにありました)、納得できる終わりでした。あの人が何を言おうとしたのかが気になりますが、読者の想像に任せようという意図かもしれません。
 結構怖い話もありますが(5巻)、この作者が「わたし」視点で書く話は珍しいと思うので、興味を持たれましたらチャレンジしてみる価値はあると思います。
 


・「名画の謎 ギリシャ神話編」中野京子
 「怖い絵」シリーズを書かれた作者が書かれたものです。本屋さんで見つけたので即座に買いました。
 ギリシャ神話を題材にした絵をめぐって、作者なりの解説がなされます。ギリシャ神話は割と残酷なものが多いので、絵もどこか残酷なものが多いのですが、そうだったのかという目から鱗といったような解釈もあるので、怖いだけでなくエンターテインメントとしても楽しめると思います。
 印象に残ったのは、レイトンが描いた『ペルセポネの帰還』を取り上げた「母の執念」です。攫われた娘を母親が髪を振り乱して探すという神話が紹介されていて、どうして娘の感情が殆ど語られていないのだろうという疑問に、作者なりの解釈が添えられていて、その解釈に「!」となりました。「一卵性母娘問題」という言葉も出てきて、これは「長い夜の果てに」に出てくる市子さんにも当て嵌まるなあと膝を打ちました。「長い夜~」の中にも出てくるかもしれません。
 美術はこう捉えるべきだというお固いものではなく、本当に身近なものとして解釈されているので、気軽に楽しめるかと。
 
 

 ドルフィンさんに教えて頂きました。本屋で買って読んだ後、あまりの面白さに二巻もネット書店で注文しました。
 これはタイトル通り、百人一首を取り上げて、その背後にあった(かもしれない)物語が描かれています。その歌を読んだ人やその周りの人達、そして貴族の世界や出仕の事情など、細かく描写されていて、そういう時代だったんだ、と分かります。登場人物もそれぞれがしっかり立っているし、台詞などのテンポもよくて面白い。続きが出るのも納得だわ。
 わたしが印象に残ったのは、一巻に収められている、陽成院の話です。「筑波嶺の みねより落つる みなの川 恋ぞつもりて ふちとなりぬる」という歌と、その背景にあったかもしれない、陽成院とその伴侶となった女性の話ですが、えらくヒットしました。たまらん。最後にはしっかり素直になっているところがたまらん。おっとりしているのに芯が強い相手の女性もとても素敵でした。
 中学と高校時代に、冬休みが明けてすぐに、百人一首大会があったので、うち何首かの歌を覚えたことがあるのですが、その頃にこの本が出ていたらもっとたくさん覚えられたんじゃないかと床を叩きました。百人一首大会、うちの学校もあるよーという方はぜひ買って暗記の役に立てることを勧めます。
 二巻も出たんですから、いっそ百人一首全部の話を描いていただきたいなと思います。

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