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本日は
2012.02.14
 バレンタインですね。皆様は誰かにチョコを贈られたでしょうか。わたしは父にお酒入りのチョコを贈呈いたしました。
 さておき、久し振りの読書状況です。
 
 

・「夜宵」柴村仁
 大みそかまでの僅かな期間にだけ立つ「細蟹《ささがに》の市」。そこで手に入らないものはないという。ある者は薬を。ある者は行方不明の少女を。ある者はこの世ならぬ色を求めて、細蟹の市へと迷い込む。異形の者達が跋扈する市で、市守りのサザが助けたのは記憶を失った身元不明の少年・カンナだった。呪われた双子の少女は唄う。「ああ、不吉だ、不吉だ」「お前がもたらす流れ、その循環は、混沌を呼ぶわ」……(あらすじ引用しました)
 この作者は「プシュケの涙」「4Girls」などを書かれていて、そちらがよかったのできっとこれも――と手に取ったのですが、読んだ後、読まなきゃよかった……と後悔しました。とにかくドロドロドロドロしてます。いやまあ、中には最初の話のように無事助かってよかったものもあるのですが、やっぱり人間の醜い部分を描いたものが多いので、読んでいてちょっと気が滅入りました。
 表紙は綺麗な絵ですが、この絵のように綺麗な話ではないので、これから読まれる方は心して下さいませ。
 


・「名画で読み解ハプスブルク家 12の物語」中野京子
 スイスの一豪族から大出世、列強のパワーバランスによって偶然転がり込んだ神聖ローマ帝国皇帝の地位をバネに、以後、約650年にわたり王朝として長命を保ったハプスブルク家。常にヨーロッパ史の中心に身を置きながら、歴史の荒波に翻弄され、その家系を生きる人間達の運命は激しく揺さぶられ続けた。血の争いに明け暮れた皇帝、一途に愛を貫いた王妃、政治を顧みず錬金術にはまった王、母に見捨てられた英雄の息子、そして異国の地でギロチンにかけられた王妃――。過酷な運命と立ち向かい、また定めのまま従容と散っていったヒーロー、ヒロイン達は、どこまでも魅力的。彼らを描いた名画に寄り添い、その波乱万丈の物語を紡ぐ。(あらすじ引用しました)
 「怖い絵」シリーズで有名な作者の本です。「名画の謎」でこちらの本を出していると知って慌てて買ったものです。
 いやー、これは読み応えありました。帯にも絵が採用されていて、「650年にわたる血みどろの王朝劇」と銘打ってありましたしね。「青い血」という言葉も出てきて、これは血族結婚を繰り返したために生まれたものだと説明がなされます。その辺はややこしいので、興味がありましたら本文でお確かめ下さい。
 狂女フアナなど、強烈な話が多かったのですが、一番印象に残ったのは、「フリードリヒ大王のフルート・コンサート」という絵を取り上げた第八章です。この話には、あのマリア・テレジアにとって不倶戴天の敵だったというフリードリヒ二世が取り上げられていて、彼の起こした侵略行為などが書かれています。また、マリア・テレジアの女傑ぶりにも触れているのですが、章の終わりに挙げられている、彼女の娘への采配には、作者もおっしゃっているように、うすら寒いものを感じます。
 


・「名画で読み解くブルボン王朝 12の物語」中野京子
 ブルボン家はヨーロッパ名門中の名門だが、王朝としてフランスに君臨したのは、およそ250年。ハプスブルク家が、最後は大伽藍がゆっくり崩れ落ちるようにもうもうたる煙の中に没していったとするならば、ブルボン家の終わりはギロチンの刃の落下と同じ、素早く呆気ないものだった。(本文の「はじめに」より抜粋いたしました)
 これは上に挙げた「ハプスブルク家~」と対をなすものです。合わせて読んだ方がより深みが感じられると思います。
 こちらで印象に残ったのは、「アンヌ・ドートリッシュ」を取り上げた第三章と、「ポンパドゥール」を取り上げた第七章です。
 第三章で取り上げられる「アンヌ・ドートリッシュ」では、絵に描かれたその女性について触れられるのですが、この時代にしては奇跡的に(とわたしは思います)、彼女は息子に賢明な愛情を注ぎ、息子からも愛情を返してくれたといわれます。今でもそれが理想の親子関係ですが、それを政略まみれになっている中で築き上げられたのは、本当に奇跡みたいだなと思います。
 第七章の「ポンパドゥール」ですが、こちらは公式寵姫であったというポンパドゥール夫人について取り上げられています。印象に残った理由は、彼女は王妃代理と言ってもいいほどの活躍をしただろうに、寵姫だからという理由で轟々の非難をその一身に浴びなければならなかった、当時のシステムにあります。このシステムは、何かあれば、王族でも何でもない公式寵姫に一切の罪をなすりつけて、王や臣下が難を逃れるための暗黙の了解ともいうべきもので、それがまかり通った時代に恐ろしさすら覚えます。
 「ハプスブルク家~」でもそうですが、読みながら、つくづく、今の時代に生まれてよかったと思いました。
 


・「下町不思議町物語」香月日輪
 西の方から転校してきた小学六年生の直之。病気のせいで身体が小さくても、方言をからかわれても、母親がいなくて厳しいお祖母ちゃんに辛く当たられても、挫けない。彼が元気なのは、路地の向こうの不思議な町で、師匠とその怪しい仲間が温かく迎えてくれるから。でも、ある日、学校でのトラブルがもとで直行は家出する――。(あらすじ引用しました)
 「地獄堂霊界通信」シリーズを書かれた作者の新刊です。「大江戸妖怪かわら版」も書かれたのですが、わたしとしては、香月氏の最近の作品の中ではこれが一番面白かったです。特に師匠。本の表紙に出ている横顔も印象的ですが、直之との漫才(?)的なやりとりが素敵でした。ハナちゃんが爆笑するのも無理ないわー。
 直之のおばあちゃんと父親の意地というか、意固地になっているというか、その辺の大人の事情も書かれていて、読んでいて、それ子供には罪はないだろと突っ込んでました。大人のそういうところを、子供は意外と鋭く見てるものだと思うので、襟を正したくなりますね。この辺は今拍手小説に置いている執事シリーズに出てくる二人の執事にも似てると思います。そこら辺を書きたいと思っているのですが、これ以上連載物を増やすのもな――おっと、話がそれました。
 シリーズ化なるそうで、続きが楽しみです。

 拍手やメッセージを有り難うございます。聖騎士さん、ご感想・誤字報告有り難うございました。早速直しました。読み直したのに気付きませんでした……。また見落としがありましたらこっそり教えて下さいませ。

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