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板ばさみ
2012.04.18

 読書状況です。積読本を片付けなければ……! でも「長い夜の果てに」も書きたい。あうう。
 


・「大人もぞっとする初版グリム童話」由良弥生
 これから寝かしつけようという幼い子供に、手足を切断するような話など、とてもできない――。そんな批判を受けて改筆される以前の初版「グリム童話」では、残酷な刑罰、男女の性愛なども、開けっ広げに語られていました。夢のように見えるおとぎ話の中に隠された残酷、狂気、不道徳の世界、そして、当時の人々のアクの強い知恵を、感じて下さい。(あらすじ引用しました)
 この本は、タイトル通り、子供向けではないグリム童話が収められています。収められているのは「ヘンゼルとグレーテル」「トゥルーデおばさん」「長靴をはいた猫」「わがままな子供」「灰かぶり(シンデレラ)」「千匹皮」「赤ずきん」「ガチョウ番の娘」「兄と妹」の9つの話です。どれも割と怖かったですが、中でも印象に残ったのは「わがままな子供」と「千匹皮」の話でしょうか。
 「わがままな子供」はあまり聞いたことがないかな? と思います(わたしは聞いたことはないので)。両親に甘やかされてわがままに育った子供が、両親の懸命な言葉にも耳を貸さないでいるうちに、不治の病にかかって死にます。その子供は葬られますが、やがてその墓から腕が生えてきて、それは何度埋め直しても何度も生えてくるので、とうとう大司教のアドバイスにより、母親があることをする――という話です。わがまま放題な子供が、悔い改める機会も与えられずに死ぬ点がこの話の怖いところだと、この話の後にある解釈にありますが、本当にその通りだと思います。
 「千匹皮」は、妃に先立たれて悲嘆に暮れていた王が、妃にそっくりな自分の娘を妻にしようとする話です。これは聞いたことがある人はいらっしゃるんじゃないかな。最後はとても矛盾した結末になっていて、かなりもやもやしました。娘の方も、最初のうちは父が自分を妻にしようとすることに怯えていたはずなのに、最後は――ですからね。うーん。昔話はその時代を反映しているといいますが、こんな恐ろしい時代があったというだけでぞっとします。ちなみに、今こっそり書いている「竜と姫君」はこれを読んで考えた話だったりします。
 


・「読むだけですっきり分かる日本史」後藤武士
 世界の中でも類稀なる急成長を遂げてきた国、日本。この国の歴史は、良い時代、悪い時代それぞれに生きた先人たちの、貴重な体験談の宝庫である。わたし達現代人にとっても、人生をよりよく生きるためのヒントが満載だ。本書は、その歴史を完全網羅。そして、教科書では取り上げられな目から鱗の意外なエピソードも紹介。(あらすじ引用しました)
 いやー、これは興味深く読めました。なぜ日本史かというと、高校時代に選択したのが日本史だったからというのと、今書いている「凍て月の鬼」の昔話の時代をちょっと詳しく調べておきたいというので。学校で配布される教科書は無味乾燥で、この時に何が起きた、こうなった、と淡々と語られるだけですが、この本は、どんな理由や原因があって起きたのか、その後どうなったかというが語られています。それが興味をそそられました。
 そういえば、水曜日に「今夜はヒストリー」という番組があって、毎週見ているのですが、この番組の内容もできれば本にして頂けないかなと密かに思っています。こういう授業だったらもっと頑張って勉強してたよ! orz
 読むだけですっきり分かるシリーズは他にもあるので、読もうかどうかちょっと揺れてます。
 


・「中途半端な密室」東川篤哉
 テニスコートで、ナイフで刺された男の死体が発見された。コートには内側からカギがかかり、周囲には高さ四メートルの金網が。犯人が内側から鍵をかけ、わざわざ金網をよじ登って逃げた? そんなバカな(^_^;  不可解な事件の真相を、名探偵・十川一人《とがわ・かずひと》が鮮やかに解明する(表題作)。謎解きの楽しさとゆる~いユーモアがたっぷり詰め込まれた、デビュー作を含む初期傑作五編。(あらすじ引用しました)
 あらすじにある顔文字は本当に本のあらすじにも表示されているので、気になる方は書店でお確かめ下さい。
 この本にはあらすじ通り、五編が収められていますが、わたしが印象に残ったのは最初の話です。中途半端な密室、というタイトルで、これは婦女暴行事件と変死事件が同じ日に起こり、それを新聞で知った探偵が推理し、その推理を知人が聞く――という話になっています。新聞だけで推理ができるのかとちょっと驚きましたが、読み進めるにつれて、なるほど、と感嘆しました。頭のいい人なら簡単に分かるんだろうな。しかし、婦女暴行事件は、わたしも女ですから、こういう事件はたとえフィクションでも起こって欲しくないなと思います。
 「謎解きはディナーの後で」で有名な作家さんですが、これからもユーモアあふれるミステリ作品を期待しています。個人的には「謎解き~」シリーズをまた書いて頂きたいです。あの執事とお嬢様のやりとりがたまりません。
 


・「吉原夜伽帳」ミズサワヒロ
 江戸の遊郭――吉原。外道菩薩と呼ばれる美貌の青年・弥太郎には、〝死んだ人間が見える〟という噂があった。ある日、奇妙な来客を受けた弥太郎は、一人の元遊女の不審な死について調べ始める。その矢先、彼が廓内で唯一気にかける少女に異変が起きて? 胸に秘めた恋心、愛憎入り混じる肉親への情。吉原に生きる者達が抱える、心の闇に「鬼」が憑く――。死者を映す瞳が暴く、鬼の正体とは? 美しき吉原幻想鬼譚。(あらすじ引用しました)
 これはあらすじ通り、吉原に生きる人達の話で、全体的に哀しい雰囲気があります。特に最後に明かされる、死んだあの人の心情は、「長い夜の果てに」の義道さんに通じるものがあって、印象に残りました。でも最後には納得できる終わりだったので、その点はよかったです。
 らぶらぶ要素……は、どうだろう。末葉と弥太郎がそうじゃないかなという雰囲気はありますが、舞台が吉原ですし、その先は書かれていないので、想像で補うしかないのがちょっと惜しいところです。
 弥太郎が末葉を止める場面の挿絵がすごくよかったです。
 


・「エージェント・コード~恋の陰謀は執筆の後で~」瑞山いつき
 小説家のカルは、原稿から逃げ出す口実に向かったパーティーで、銃を構え空から降ってきた少女・ライザと出会う。国家の極秘命令をこなす諜報員だという彼女は、「賢者の石」を奪った秘密結社に追われていた。ライザの逃走劇にカルは巻き込まれることになり……?(あらすじ引用しました)
 スパイものがお好きな方なら楽しめるんじゃないかなと思います。わたしはアクションものとかは特別好きというわけではないですが、しかし、秘密結社にありがちなぶっ飛んだ人が出てくると、うわあ、となります。このお話にもそういう人が出てきて、平気でヒロイン達を傷つけようとします。
 でもそれよりもっと怖い人が出てきて、その人の愛情の裏に垣間見える、何と言うか、悪意というか、なんだろう……。愛情ではあるけれど、深すぎるがゆえの愛情とでも言うんでしょうか。最後の方にある台詞に垣間見えるその愛情表現にぞっとしました。こんな人が家族だったら嫌だわ……。
 最後の挿絵が微笑ましかったです。あの二人が無事恋人同士になれるといいな。お兄さんの愛情表現を遠ざける意味でも(切実)。
 


・「幾星霜の夜を超え」友藤結
 時は寛永8年。天涯孤独の青年・狂四郎は、ある男との戦いで不老不死となってしまう。永い孤独な放浪の末に平成の世で出会ったのは、己を不死へと変えた憎き敵の子孫の時乃。復讐のために時乃に近付く狂四郎だが、時乃の優しさに心が次第に癒され――。(あらすじ引用しました)
 これは「吉原夜伽帳」と同じく、二千花さんにお勧めいただきました。有り難うございます。
 狂四郎は、最初のうちは人間不信気味だったのですが、時乃に出会ってから、少しずつ周りの人達の優しさに触れていきながら成長していきます。彼を不老不死にした人も意外な形で出てくるので、彼とのやりとりも見逃せませんでした。
 印象に残ったのは、「さみしい」という場面です。あれにはやられました。あれは反則やろ……。狂四郎、成長したなぁ……としみじみしました。この後に送られる狂四郎の新しい人生はきっと楽しいものになるでしょうね、いろいろ。
 個人的には巻末おまけがつぼでした。時乃さん、ファッションセンスがあれですね……。
 ドロドロ要素が少ない――というか、ない? ので、ドロドロ要素が苦手な方は楽しめると思います。

 以下、拍手返事です。

>二千花さんへ
 こんにちは。メッセージ有り難うございます。
 GWはいつでもいいですか、それはよかった。ただこちらは旅行に行く予定があるので(久し振りな旅行です)、できれば4月末くらい、29日がちょうどいいかなと思うのですが、どうでしょうか。部活でお忙しいでしょうか? ほんとに無理はしなくていいので。
 それと、遅くなりましたが、読書状況を上げました。またお勧めの本があれば教えてくださると幸いです。
 ではまた遊びに来てくださいね。

>聖騎士さんへ
 「長い夜の果てに」へのご感想、有り難うございます。いつもニヤニヤしながら読ませていただいてます(笑)。
 峰沢先生については、彼女と彼女の友人に焦点を当てたお話「A Sharp Child」があるので、よければどうぞ。彼女がどうしてあんな人脈を持ってるのか、その答えもあります。ただ、長いので、お時間のある時が望ましいかと。 
 ではまたのお越しをお待ちしております。

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