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楽しみです
2012.08.28


 「天地明察」を書かれた作者が今度また時代小説を出されるそうで、すっげえ楽しみです。今度のは水戸光圀さんの生涯を書かれたそうで、タイトルも「光圀伝」となっています。早速予約しました。早く届かないかなー。もし再来週辺りに何の更新もなかったら、ほぼ確実にこの本を読んでいるということになるので、ご了承下さい。読む時は一気に読まないと続きが気になって仕方ないんだ……。
 さておき、読書状況です。
 


・「怖い絵 死と乙女編」中野京子
 全身にみなぎる憤怒と威厳、「皇女ソフィア」――凄惨な姉弟喧嘩の末に、権力を握ったのは? 甘やかな香りが漂う、ボッティチェリの最高傑作、「ヴィーナスの誕生」――美の背後に秘められた、血生臭い出生の物語とは? 自らを死神になぞらえた、「死と乙女」――実際に画家とモデルを襲ったその後の運命は? 名画に秘められた人間心理の深層を鋭く読み説く22の物語。文庫描き下ろしも収録したシリーズ第2弾。(あらすじ引用しました)
 「怖い絵」シリーズは以前にも紹介したことがあるので、内容については詳しくは触れませんが、一つ印象に残った絵について。
 ドラクロワが作者の「怒れるメディア」。どんな絵かというと、「魔の手から逃れ森へ駆け込んだ女性が、迫り来る敵の気配にまなじりを決して振り返り、いざとなれば我が子を守るため戦おうと、今しも左手の短剣を構え直したところ」(本文引用)といったものです。「ただし後半が違っている。彼女は我が子を守ろうとしているのではなく、殺そうとしているのだ!」と続いているので、「えっ? どういうこと?」と疑問に思って続きを読もうと食いついてしまいます。
 この絵の背景について簡単に説明すると、海外遠征で来た他の国の男の人に、その国の王女、つまりメディアが嫁入りすることになり、メディアはその男の人と一緒に彼の国へ行きます。二人は一緒になり、二人の子供にも恵まれましたが、夫の方は次第にメディアに飽きます。そんな矢先、夫の国の王の娘との結婚話が持ち上がり、夫も、彼の国の王も、こぞってメディアに別れと国から出ることを求めます。メディアは当然ながら怒り、花嫁とその父親を殺し、更に我が子までも手にかけようと――。
 この絵はつまり、裏切り者である夫への復讐の一場面を切り取ったものです。昔はよその国から来た者に対しては、よそ者だからと軽んじる気持ちがあったようで、でもその裏には不安と恐れがあって、メディアに対してもそれは同じだった――と解釈されています。いやいや、生まれ育ったところは違っても、同じ人間なんだよ? と、読みながら思いました。でも、たとえそういう背景があったとしても、メディアでなくても、誰でも怒れずにはおれないだろうなと思います。我が子への愛情がないわけではなかったけれど、それより怒りの方が勝ったという辺りに、メディアの哀しい決意が窺える気がします。
 他にも興味深い背景のある絵が紹介されているので、初めての方にもおすすめです。でも怖がりの方はやめた方がよいかもしれない。自己責任でお願いいたします。
 


・「印象派で「近代」を読む 光のモネから、ゴッホの闇へ」中野京子
 19世紀後半のフランスに起こった絵画運動で、現代日本でも絶大な人気を誇る「印象派」。“光”を駆使した斬新な描法が映し出したのは、未だ克服せざる「貧富差」による“闇”であった。マネ、モネ、ドガからゴッホまで、美術の革命家たちが描いた“光”とは――。(あらすじ引用しました)
 上に紹介した「怖い絵」シリーズと同じ作者が書かれたものです。この人は単行本の「怖い絵」シリーズが出た時から追っかけているので、新刊が出ると必ず買っています。
 印象派もそうですが、今は有名で人気の作家も、昔は必ずしもそうではなかったという事情が詳細に説明されていて、そうだったのか、と驚きました。写真が出たことによって危機を覚えた画家も多くいたことなども書かれていて、興味深かったです。
 個人的に印象に残った文(台詞)があって、ナポレオン三世の愛妻であるウジェニー皇后はかのマリー・アントワネットに非常に興味を持っていて、亡命する際に、「死ぬのは平気だけれど、パリの野蛮な女どもに何をされるか分からないから逃げる」と言ったといいます。歴史は繰り返すと言いますが、本当だなと思いました。
 「怖い絵」シリーズなどと同様に、絵の背景としてそれぞれの時代背景などが分かり易く説明されているので、興味を持ちましたら、読んで損はないと思います。
 


・「空飛ぶ広報室」有川浩
 不慮の事故で戦闘機乗りではなくなったパイロットが次に転勤した先は、広報室だった。そこにいる人達と共に、航空自衛隊のPR活動に走り回ることになる――。
 これ、実際に見てみると分かるんですが、表紙が凝ってるんですよ。新聞風になっていて、そこかしこに作品のあらすじやら主人公へのインタビューやらが載っていて、読んだ後に楽しめる仕様(たぶん?)になってます。これ、文庫になったらどうなるんだろう。文字が小さくなるから読みづらくなるだろうし。
 さておき、内容はあらすじ通り、元パイロットが広報室の皆さんと、記者(ぴちぴちの女の人)と、あれこれ奮闘します。主人公だけでなく、彼の周りの人達の事情なんかも書かれていて、だからこの人はこんななのか、と納得できて読み易かったです。
 個人的には柚木ねえさんの辺りがちょっと辛かった……。彼女は以前の職場で同僚や上司に悪い意味で女性扱いされたことがあって、それがトラウマになっているという事情があるんですが、わたしも以前の職場ではしんどい思いをしたので、柚木ねえさんにちょっと感情移入しました。
 ただ、自衛隊という職業上、仕方ないのかもしれませんが、この本では「三匹のおっさん」や「図書館戦争」シリーズなどのように、はっきりとしたカップルは出てきません。それらしい関係はあるんですが、あれ、くっつかないの? みたいな。最後まであいまいなままなので、その辺りがちょっともやもやしました。ううん。
 あ、「三匹のおっさん ふたたび」も出ていますが、こちらは文庫になるまで待つつもりです。図書館で借りられる方が早いかしら……。
 


・「神様のカルテ3」夏川草介
 この巻でも、色々な悩みや病気を抱えた患者がいて、彼らにとってよりよい治療法などを一緒に模索したり、新しい医者が栗原一止のいる病院へ来てひと悶着あったりします。だけでなく、栗原先生の住むアパートの住人達にも焦点が当てられていて、彼らの方もちょっとした変化があって、相変わらずでも変わっているものがあるのだなとしみじみさせられました。
 新しく来た女の人の先生は、タヌキ先生――失礼、砂山先生と一緒に働いたことがある人なのですが、タヌ、いえ、砂山先生と一緒に働いていただけあって、これが中々の人で。ただ、この小幡先生の信念というか、決意というか、そういうものにはちょっと疑問を覚えてしまいます。読めば分かると思うので、詳しくは触れませんが、そういう過去や理由があるからだとは分かっても、そういう風に行動しちゃうのはやっぱりちょっとどうなんだろう……ともやもやしました。二巻で新しく出てきたタツさんの件は納得できたのですけれども。わたしの一番上の姉が看護師をやっているので、この辺りについての意見を彼女に聞いてみたいところです。
 最後は栗原先生がある決意をして、その決意を行動に移そうとするところで終わっています。まだ続くのか、それともここで終わりなのかな? ちょっと分かりませんが、でも、この素敵な作品に会えたことに感謝したいです。ありがとうございます!

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