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 冬は一番服を買い集めたくなる季節だと思います。夏だとTシャツに薄手のカーディガンにデニムで着回してます(職場や店の中は結構クーラーが効いていて寒いので、長袖のカーディガンをよく着る)。春と秋もまあ似たような感じですが、冬は何しろ寒い。寒いので、何とか寒さを凌げるものをと、フリースやらブランケットやらボアものやらに目がいって、しかも可愛いと来たらどうしても衝動的に欲しくなります……。そんなわけで、ここ最近はちょっと出費がアイタタなことに。
 もうちょっと理性を持とう、と自分に言い聞かせる日々です。
 では読書状況いきます。今回は結構読んだ気がすると思いましたがそんなことはなかった。
 


・「オコノギくんは人魚ですので 1」柴村仁
 ナツが通う城兼高校には、ときどき〈人魚〉が転入してくる。うまく擬態しているので見た目は普通の人間と変わりない。でもやっぱりところどころ謎めいていて、カチカチと妙な音を発したり、うっかりヒレを出したりと、なんだか目が離せない。
 やむをえない理由で大好きな水泳をやめてしまい、物足りない日々を送るナツは、ある放課後、オコノギくんが一人で学校のプールサイドにいるのを目撃する。どうやらオコノギくんは、何かを探しているみたいで……?(あらすじ引用しました)
 「プシュケの涙」三部作を描かれた作者の新刊です。この本のイラストも、「プシュケの涙」のイラストを描かれた也さんが描かれたということで、うっひょーです。この人のイラストは透明感があって好きなので、イラスト集が出ないかなあとこっそり思ってます。一話ごとにトビラがあって、そのトビラにその話に出てくる場面を切り取ったイラストがあるので、キャラのイメージもしやすかったです。うじゃ可愛え。
 雰囲気としては青春・現代・ファンタジーでしょうか。あまぞんのレビューに、少女小説のような雰囲気だというものがありましたが、いや、少女小説というよりは青春小説といった方がいいんでない? とわたしは思います。少女小説だったら、もっとベッタベタな――感想の方行きましょう。
 舞台は現代なんですが、人魚や「うじゃ」という不思議で可愛い生き物が普通に存在して、人魚のための制度(たとえば、人間に擬態できるけれども、水を大量に摂取しないといけないため、水を買うためのお金が町からおりているので、水を買うお金に困ることはない)が当たり前にあるという、ちょっとファンタジーな雰囲気になっています。その町にある高校に通う女子・ナツは、あらすじにもある通り、ある理由で水泳をやめるのですが、ちょっとしたきっかけで〈人魚〉であるオコノギくんと交流するようになります。オコノギくんに興味津々な生物オタクであるエリオット、クラスメイトの男子や女子といった個性的な面々も加わって、みんなで噂になっている透明人間「イリエさん」なるものを探そうという流れになりますが、この「イリエさん」とナツの間に思わぬ接点があることが分かってきます。それを知ることができたのも、〈人魚〉であるオコノギくんならではですね。巧く設定を生かした展開だと思います。
 一番印象に残ったのは、ナツ達のクラスメイトの男子である豊田勝利の「男にだって、他人に見られたくないときは、あるはずだ」と言い出す場面ですね。それぞれのキャラの個性がすごく滲んでいるのでめちゃ好きです。豊田君には是非ともあのはっちゃけた性格で走っていただきたい。
 ちなみにこれはタイトルにもある通り、シリーズ最初の巻なので、続きます。イリエさんとオコノギくん達の攻防がすごく気になる……。どうかドロドロ要素は一巻と同様にすごく控えめな感じでお願いします。
 ちょっと不思議な青春小説だと思うので、興味のある方は読んで損はないと思います。



・「桜大《おうた》の不思議の森」香月日輪
 緑したたる山々と森に、優しく抱かれるようにして、黒沼村はある。村の傍にある森はその奥に「禁忌の場所」を抱えていたが、村人たちは森を愛し、そこにおわす神様を信じて暮らしていた。十三歳の桜大《おうた》もまた、この森の「不思議」を感じて育った。森には美しいものも怖いものもいる。センセイや魔法使いに導かれ、大人への入り口に立った桜大が出会うものとは? 心の深奥を揺さぶる物語。(あらすじ引用しました)
 これは、昔の日本を思わせますね。日本も昔は「八百万」という言葉があるくらい、そこここに神様がおわすと信じながら暮らしていた人々でいっぱいだっただろうし。そういう、今でも不思議を信じる人々が暮らす村で紡がれる話です。
 今はあまり神隠しとか、そういう不思議なことは聞かないですが、だからといって罰当たりなことをしちゃいけないよなあとつくづく思いました。昔から続いているお祭りや伝統行事は、必ず何かしらの意味があって行われているのだと思うし、それをぞんざいにしたらえらいこっちゃなので、大事に受け継がれていって欲しいなと思います。人間、欲張っちゃいけませんね。
 ということを考えるような話でした。子供の視点で進められますが、だからこそグサッとくるものがあるんじゃないかと。



・「六花の勇者 3」山形石雄
 テグネウの脅威に曝されたまま、魔哭領を奥へと進む六花の勇者たち。その道中、ゴルドフが突如「姫を助けに行く」とだけ告げ、アドレットの制止を振り切って姿を消す。不可解なゴルドフの行動に、六花は再び混乱に陥る。ゴルドフが「七人目」なのか、それとも何かの策略にはめられているのか? 更に、再び現れたテグネウは凶魔達の内紛について語り、挙句に自分と手を組まないかと提案をしてくる。果たしてその真意とは? (あらすじ引用しました)
 シリーズ三巻目です。行きつけの書店では、あまり人気がないと思われているのか、山積みではなく棚差しでした。いつか「戦う司書」シリーズのように山積みになる日を心待ちにしています。
 いやー、この話は、読んでいて結構神経を使いますね。誰が偽者である「七人目」なのかが気になりますし、何が本当で何が嘘なのかも分からないし、誰が誰を罠にかけようとしているのかも、読んでいる間は分からないので、本当にハラハラです。しかも、この話では勇者の一人であるチャモが命の危機に関わる事態になるので、勇者たちは彼女を救おうと奮闘しながら、真相を見極めなければならなくなる。めちゃくちゃ頭と神経を使いますよ、ほんと。実際、わたし、読んだ後にはちょっとぐったりしてましたからね……。
 ただ、一方で、勇者の一人であるゴルドフの過去も語られます。そうか、だから彼は勇者たちにとっては裏切り者であるナッシェタニアにぞっこんなんだな、と、彼の一途さにちょっとほろりとしました。でも相手がナッシェタニアなのはどうかなあとやっぱり思います……。女の人は同性には厳しいのですよ。
 最後にはある程度明らかになりますが、肝心の謎「七人目」が誰なのかも分からずじまいのままなので、どうなるのやらと気になります。誰であってもショックかもしれない恐ろしい気もする……。

 

・「ホビット ゆきてかえりし物語 上・下」J・R・R・トールキン著、山本史郎訳
 映画化された話の原作です。このブログでもちょこちょこ触れていますが、この話は「指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)」の序章というべきものです。あの指輪がどこから来たのかが知れます。
 「指輪物語」では、フロド・バギンズという名のホビットが主人公ですが、この「ホビット」では、フロドの義理の父(伯父でもあります)であるビルボ・バギンズが主人公で、彼が若かりし時に、旅の仲間を探しに来た魔法使い・ガンダルフに出会い、彼によって旅の仲間に加えられたビルボは思いがけずも旅に出ることになります。旅の仲間はドワーフという種族の小人(ホビットも小人ですが、ホビットより大きな小人)の十三人です。個性的な彼らは、竜によって奪われた自分達の王国を取り戻しに行きます。
 トールキン自筆の挿絵などの資料があるこの注釈版は第四版とのことですが、以前わたしが読んだものよりは読み易くなっています。読み易いのはやっぱり、「指輪物語」と同様に「です・ます」調の丁寧な語り調なのが大きいですね。トールキンというと、もうこの丁寧な語り調だというイメージがあるので。
 冒険譚というだけあって、やっぱり最後にはみんなで帰れる――というわけにはいきません。何しろ竜が出てきますからね。その竜を仕留めることになるのはドワーフたちだけではないのですが、竜が死んだ後、宝の眠る山を目当てにオークやらゴブリンやら人間やらがわらわらと集まって来て、ビルボ達は戦争に巻き込まれることになります。この辺りを精密に書かれている辺りは脱帽です。子供向けのお話とはいえ、しっかり練り込んでいらっしゃる!
 一度は読むことをお勧めしたいです。個人的にはやっぱり読み易さの点で子供向けの文庫で出ているこちらが一押し。

 



・「大人も眠れないほど恐ろしいグリム童話」由良弥生
 以前にも由良氏のグリム童話を紹介したと思いますが、その第二弾が出ました。「いばら姫」「悪魔の三本の金の髪の毛」「白雪姫」「強盗のおむこさん」「神様の召しあがりもの」「十二人兄弟」「踊ってすり切れたダンス靴」「唄う骨」「三人軍医」「ホレおばさん」の話が収録されています。
 いやあ、今回もどの話も結構怖かったです。話の最後に作者なりの解釈も書かれているので、その話が書かれた時代の背景なんかも知れて、成る程、と膝をうったりしました。しかしやっぱり怖いものは怖いわ……。
 わたしが怖いと思ったのは「強盗のおむこさん」「唄う骨」の二つです。
 「強盗のおむこさん」は、ある国のお姫様に王子だと名乗る若い男の人が求婚するのですが、お姫様の方は求婚してくる男の人に不信感を抱きます。しかしそれを父である王には中々言い出せず、ある日、ついに求婚者に「城に来てくれ」と言われ、一人で教えられた場所に行くことになります。しかしそこにいた老婆に隠れるように言われてその通りにすると、お姫様と同様に若い女の人を捕まえてきた求婚者とその仲間達が帰って来て、求婚者とその仲間達は捕まえてきた女の人に――。その恐ろしい光景を目の当たりにしたお姫様は老婆の助けを借りて必死に逃げ帰って、王に洗いざらい打ち明け、後日に何も知らずにやってきた求婚者とその仲間達に然るべき罰を与えます。
 これは怖かった……。現代では恐ろしいことこの上ないのですが、話の最後にある解釈に、当時では人喰いという習慣があったとありますから、それを反映したものなのでしょうが、しかしそんな理由で小さな女の子を手にかけることもあったなんて……。言葉も出ません。
 「唄う骨」は、三人兄弟が、国中の畑を食い荒らす大イノシシ退治に出かけますが、上の兄二人は寄り道をして、末の弟はそんな二人を見送った後、腰を上げます。そんな弟に小人が手を貸して、大イノシシを仕留めることに成功するのですが、そんな弟に褒美をとられると思った兄二人は共謀して弟を亡きものにします。まんまと褒美を横取りした兄二人ですが、数年後、たまたま通りがかった羊飼いが拾った骨で笛を作って吹こうとしたところ、なんと骨が唄います。その骨はかつて兄二人に殺された弟のもので、兄二人に殺されたと唄うその骨にびっくり仰天した羊飼いは慌てて城に駆け込み、唄う骨のことを話します。こうして罪が白日のもとに曝された兄二人は、かつて自分達が弟に味わわせた仕打ちと同じ罰を受けます。
 うーん、こちらでは兄二人の強欲さに言葉が出ません。「強盗のおむこさん」でもそうですが、欲を出しすぎるとそっくりそのまま自分の身に返ってくるという勧善懲悪的な教訓を持たせたのかなと思います。にしても、褒美欲しさに実の弟を手にかけるなんて……。わたしとしては信じ難いですが、残念なことに、現代でも同じようなことが繰り返されているので、人間の哀しい性は昔から変わらないのだな、と何とも言えない気分になりました。
 エログロな話ばかりなので、そのような話が苦手な方は避けた方がよいです。



・「中野京子と読み解く名画の謎 旧約・新約聖書篇」中野京子
 せっかく絵を味わいたいと思っているのに、宗教がだからと敬して遠ざけるのでは、あまりにもったいない。本書は、もっと宗教画を楽しみたい人、名画を通して聖書や歴史や画家について知りたいと思う人のための一冊です。(あらすじ引用しました)
 これは「怖い絵」シリーズと同様に、聖書をテーマにして書かれた絵を、その時代の背景や神話などを交えながら作者なりに解釈されたものです。ミケランジェロ、ブリューゲル、ドラクロワ、ダ・ヴィンチなどの絵が取り上げられています。以前読んだ「名画と読むイエス・キリストの物語」とあわせればもっと楽しめると思います。
 印象に残ったのは「美女と生首」の章ですかね。タイトルからしてギョッとされる方もいらっしゃると思いますが、まあ、ギョッとするような絵が出てくるのは「怖い絵」シリーズからのことなので、慣れて下さいとしか。この章ではアッローリの「ホロフェルネスの首を持つユーディト」とジェンティレスキの「ユーディトと侍女」の絵が取り上げられています。どちらもユーディトをテーマにしていますが、画家の捉えようが違うので、絵も全く違います。ユーディトの話はご存知の方もいらっしゃると思うので、省きますが、この章に出てくる文章――「けっきょく男は「男を殺す女」を許せないのだなあと、しみじみしてしまうほどである」。
 人間て実に奥深いなあ、とこちらもしみじみします。



・「旅猫リポート」有川浩
 宮脇悟はある事情で、飼っていた猫・ナナ(昔はノラだった。ちなみに男の子です)を飼えなくなり、ナナを連れて飼ってくれそうな友人のもとを訪ねる――。
 単行本は滅多に買うことはないのですが(何しろ高い)、これはあまぞんの評判がよかったので買いました。それに何より猫ときたらもう買うしかないでしょう! そして買ってよかった。最後にはしんみり来ますけど、面白かったです。
 ナナを連れた悟が訪れる友人の視点と、ナナの視点で交互に話が進められます。このナナからして、元ノラというだけあって、見上げた性格をしていらっしゃるので、読みながら愉快な気分にして頂きました。特にスギとチカコの話で、スギが大好きなトラ(犬)と喧嘩をする場面が。いやー、痛快だった。でもほれぼれしたのは、トラと一緒にスギとチカコのところにいるモモ姐さん(猫)でしたね。ナナとトラが啖呵の報酬をする横で、そっと苦笑しながら高みの見物を決め込んでいたモモ姐さん。大人……!
 作者も猫のことが好きなんだなーと思わせるくらい、猫への愛情が滲んでいるお話なので、猫好きにはお勧めです。



・「暗殺教室 2」松井優征
 E組に新たに配属された美人外国語教師。彼女の正体は美貌と巧みな話術で対象に近付く凄腕の殺し屋だった。殺せんせー暗殺の準備が着々と進み……?(あらすじ引用しました)
 この2巻ではビッチ先生(美人外国語教師の名前です)が殺せんせーを暗殺しようとする話、全校集会と中間テストの話、修学旅行の初めの話が収められています。
 全校集会と中間テストの話では、渚達が通う椚が丘中学校のえぐい面も書かれていて、うわあ……となりました。椚が丘中学校の理事長も出てくるのですが、この理事長がまた冷徹過ぎるくらいの合理主義者で、自分の主義のためにえらいことを仕出かします。そこまでやるかと烏間先生が心の中で呟く場面がありますが、全くもって同感です。わたしなら、自分も自分の子供も絶対ああいう学校は御免ですよ!
 作者は、殺せんせーと生徒達の一年に満たない出来事の話です、と仰っていますが、どんな最後になるのか、相変わらず気になります。やっぱり殺せんせーがやられちゃうのかしら……。

 

・「月刊少女野崎くん」椿いづみ
 無骨な男子高生「野崎梅太郎」。彼に恋をした女子高生「佐倉千代」は勇気を振り絞って告白するものの、なぜか恋人ではなく少女漫画家のアシスタントになったのでした……。男子高校生でありながら人気少女漫画家でもある野崎くんの日常を描く、少女漫画家男子コメディー。(あらすじ引用しました)
 ドルフィンさんにお勧めいただきました、有り難うございます。わたしは読んでいないのですが、「俺様ティーチャー」を書かれている作者の四コマ漫画です。
 実に個性的なキャラが揃っていて、彼らのハチャメチャな日常が書かれています。それぞれのキャラの残念さがたまりませんでした。個人的にすごく頭に焼き付いて離れないのは、みこりんの「多分これじゃない。それだけは分かった」という場面ですね。わたしもそれは絶対に違うと思うよみこりん!
 ガンガンオンラインというサイトで掲載されているので、最初の一話と、最新話がただで読めます。興味を持たれた方は試しにそちらをどうぞ。

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