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ビバ和歌!
2013.04.23
 最近は温度の差が激しい日が続いています。やっと暖かくなったかと思ったら、冬並みに寒くなったり。御蔭で職場でも風邪をひく人が続出しました。わたしは今のところ大丈夫です。寒さに関してはしっかり対策するようにしてますからね。寒さは女性全ての大敵だと思うのですよ。
 ちょっと話は変わりますが、「ONE PIECE」、大好きで追っかけ続けていたのですが、しばらくは控えて様子を見ようかと思います。もうね、なんか、ごっちゃになってちょっと理解しようという気持ちが落ち込んでしまいましてね……。つくづく、程々に長いのがいいよなあと思います。「魔人探偵脳噛ネウロ」はちょうどよく終われたいい作品だと思いますし、その点で言うと、「指輪物語」や「プシュケの涙」三部作とかもあてはまりますね。作者も楽しみながら書き続けられて、かつ、読者も楽しみながら読める。そういう作品が理想だなと思います。
 では以下、読書状況です。



・「私の嫌いな探偵」東川篤哉
 うら若き美貌のビルオーナー、二宮朱美。二十代半ばにして、ビルの最上階に住まい、家賃収入で優雅に日々を送っている……はずが、なぜか、気がつけば奇妙なトラブルに振り回されてばかり。それもこれも、階下に入居している「鵜飼杜生探偵事務所」がいけないのだ! 今日もまた、探偵事務所を根底から揺るがす大事件が巻き起こる!(あらすじ引用しました)
 いやー、鵜飼さんも朱美さんも流平くんも相変わらずで面白かったです。特に鵜飼さんと流平くんの、殿方ならではの反応を示すところが笑えました。やはり東川さんはコメディカルな探偵ものを書くことにかけては群を抜いているなと思わせます。
 この巻でも死人が出る事件が起きますが、重い話のはずなのに少しもそう思わせません。そこがすごいところです。たとえば、この巻の最後に出てくる「二〇四号室は燃えているか?」という話では、浮気調査を頼まれた鵜飼さん達三人は、依頼人の恋人が住んでいるという部屋の前で張り込みをするのですが、そこでラブシーンを(このラブシーンはつまり、ウフフなことをするということです)目の当たりにした鵜飼さんと流平くんは二人揃ってウサギみたいにぴょんぴょんと飛び跳ねたりと、分かり易く興奮します。それを朱美さんは物凄く呆れて冷ややかに見つめるという。
 今回もこういう笑える要素がとにかく盛りだくさんでした。次はどのシリーズか、それとも書き下ろしかは分かりませんが、次の話も楽しみに待ちたいと思います。



・「ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと二つの顔~」三上延
 珍しい古書に関する特別な相談――謎めいた依頼に、ビブリア古書堂の二人は鎌倉の雪ノ下へ向かう。その家には驚くべきものが待っていた。希代の探偵、推理小説作家江戸川乱歩の膨大なコレクション。それを譲る代わりに、ある人物が遺した精巧な金庫を開けて欲しいという。金庫の謎には乱歩作品を取り巻く人々の数奇な人生が絡んでいた。そして、深まる謎はあの人物までも引き寄せる。美しき女店主とその母、謎解きは二人の知恵比べの様相を呈してくるのだが――。(あらすじ引用しました)
 これを読みながらずっと思っていたことがあります。栞子さんとその妹である文香の母親は、旦那と二人の娘を置いて家を出て行ったんですが、この巻に初めて登場します。それも最初からのご登場。大輔も呟いていますが、普通の母親ではない言動を繰り返していて、過去に彼女と関わった一人である井上も彼女のことを嫌っています。嫌っているというより、恐れているようにも思えますが、栞子さんも井上も彼女を嫌いになるのは無理もないなあと、読んだ後にすごく納得しました。
 この話は、あらすじ通り、江戸川乱歩の作品にまつわるもので、特に『少年探偵団』が深く入り込んでいます。依頼人の嘗ての恋人だった人(亡くなっています)も、江戸川乱歩が好きで、自分の子供達にも『少年探偵団』をこっそり読ませたりしていました。ただ、この人の奥さんが厳格な性格だったせいか、子供達にとっては二人ともあまりいい親ではなかったようです。特に父親の方は、依頼人とも関係を持っていたものですから尚更。
 そんな一筋縄ではいかない人間関係は、依頼人サイドだけでなく、栞子さん達サイドにも見受けられます。以前は栞子さんを彼女の母親と同様に嫌っていた、栞子さんと同じく古本屋を経営している井上という男の人が出てくるのですが、栞子さんと大輔は、彼から依頼人に関わる話と一緒に栞子さんの母親のことを聞きます。その話がもうね……えげつない。おかあさん、あんた、なんちゅうことをしてくれてるねんや……。
 最後の方には、栞子さんと彼女の母親が向かい合う場面があるのですが、憎んでいてもいいから一緒に行こう、と、普通ではまず出て来ないようなことを言って娘を誘います。もしこの場に大輔がいなかったらと思うと……思うと……! 大輔さん、グッジョブ!
 でも最後の最後に、ある人が栞子さんの母親の目的を告げていて、一体どんな代物なのだろうとおののきました。気になるけど、知りたくないような……。あああ、どうか納得できる終わりになりますように!



・「首の姫と首なし騎士 裏切りの婚約者」睦月けい
 王族の突然変異、末姫シャーロットがついに婚約。しかも相手は“愛人二十人”と噂される豪商エルマー家のセシル。驚きが駆け巡る中、シャーロットは王族の婚姻が認められるまでに必要な四十日間に全てを賭けていた。この間にエルマー家の悪事を暴く決定的な証拠を掴まなければならない。だが、城内では、護衛騎士アルベルトと兄王子クローヴィスの間で緊迫の事態が?(あらすじ引用しました)
 これを読んで思ったことがひとつあります。王様よォ……。
 この巻には一巻以来登場しなかった人物、つまり王様が出てきます。王様はシャーロット、クローヴィス、レイフォードの父親でもありますが、この親子の間には一巻以来、埋めようがない溝が横たわっています。その溝が埋まるのはもう無理だろうなと、読んでいるこちらにも分かるくらい。
 ただ、クローヴィスは、一巻ではひたすら鼻持ちならなかったのですが、父親の思わぬ一面を見て己の過ちを知った後は、その過ちを悔いて、もう二度と同じ過ちを繰り返さないようにふんばる言動を見せます。けれども、今回は事が事なだけに、相手に利用されながらも、こちらもあちらを利用しようとする腹をひたすらに隠しながら、それをシャーロットとレイフォードにも悟らせないように奮闘するので、読んでいてハラハラします。シャーロットも、ひょんなことで兄のその決意を知り、何もできない自分に歯噛みしたり。やっぱり兄妹だなあ、と思いました。
 しかし、そんな子供達の奮闘や決意やらを踏み躙るような人が一人、そう、王様です。王様はシャーロット達の父親でもあるんですが、その器の小ささを認めたくないあまりに、奥さんを手にかけ、奥さんの性質を唯一受け継いだシャーロットも手にかけようとしましたからね。シャーロットの結婚にしても、寧ろ好都合だと、シャーロットを傷つけるようなことを言ったりして、こういうお父さんは嫌だわあと思いました……。「長い夜の果てに」の義道さんみたいに無関心もあかんですが、せっかく父親が懸命に築き上げたものをぶち壊しにするような人も嫌ですね。
 最後は何とかなると思うんですが、それに至る経緯が気になるところです。なんとかシャーロットが結婚せずに済んで欲しいです。あとできればセシルもあまり罰を受けずに済んで、でもエルマー家には没落して頂きたい。あれ、これ前にも言ったような。



・「うた恋い。和歌撰 恋いのうた。」渡部泰明・著、杉田圭・絵
 ときめきの恋歌を厳選した和歌入門の決定版。そして、恋は語り継がれる。(帯のコピーを引用しました)
 これは帯に書いてある通り、百人一首のような和歌たちの中から、恋のものを選んで紹介されています。杉田さんの描き下ろしの漫画も三話あり、楽しめました。杉田さんの漫画は「あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る」「紫草の にほへる妹を 憎くあらば 人妻故に 我恋ひめやも」という二つの和歌が最初に、「くちなしの 園にやわが身 入りにけむ 思ふことをも 言はでやみぬる」という和歌が二つ目の話に、最後には「恋ひしのぶ 袖の涙や 大井川 逢ふ瀬ありせば 身をや捨てまし」という和歌にまつわる話が収められています。この三つの話の間にも、他の恋の和歌が多く取り上げられており、詠んだ人の性格や人間関係、その背景などを分かり易く解説されています。
 印象に残ったのは、最後の話ですね。「恋ひしのぶ~」と詠んだ人、後深草院二条(上皇である後深草院に仕えた女房)と、後深草院の異母弟である有明の月(僧侶)の恋が描かれています。最初は仕えている条項の異母弟で、しかも僧侶なのだからと、二条は有明の月からの告白を拒否していましたが、次第に彼の深い愛情にほだされていくという。しかし、有明の月は流行り病であっけなく――。そんな時に詠まれたと言われています。
 ただね、時代の違いがありますからしょうがないと言えばしょうがないと思うんですが……二条と有明の月の関係を知った後深草院の反応がちょっとひどくね? と思いました。何があったのかは読んでみれば分かります。
 百人一首を取り上げた「うた恋い。」シリーズがお好きでしたら外れないと思います。そうでない人にもお勧めしたいので、ぜひ。

 読んだ漫画ものせておきます。ばらかもんは先生となるの関係が最高やでえ。

   

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