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最近、以前から遊びに行っている小説サイトの多くがあまり更新されなくなって、寂しいなと思っている今日この頃です。多くは書籍化デビューか、仕事が忙しくなったかのどちらかなので、これも自然の流れというべきでしょうか。でもさびしい。
 ので、当サイトはできる限り定期的に更新しようと、週に一回は何か書くようにしようと思っているのですが、今日はどうにも気分が乗りませんでした。そのため、お休みしています。そのかわりと言っては何ですが、読みためていた本の読書状況をあげておきます。



・「黒衣の騎士と悪女の良縁」宮野美嘉
 悪評まみれの美少年愛好家、令嬢シェリーの結婚が決まった。夫となるのは国一番と評判の美少年ルース……ではなく、その兄クロード。戦場の死神と呼ばれるほど勇猛で強面な将軍のクロードには「弟を溺愛するあまり屋敷に閉じ込めている」という不穏な噂がある。「弟に近付くな」とシェリーに告げて花嫁拒絶の態度を見せるクロードに秘密が? 夫を探ろうとするシェリーだが、ある時、クロードの思いがけない優しさを知ってしまい――。(あらすじ引用しました)
 この作者さんは、「不実な夫の愛し方」がきっかけで、本が出たら手に取るようになりました。この人の作品のヒロインがみんな強い人だというのもあります。どちらかというと守られていることの方が多いヒロインはちょっとな……。ただ、そういうヒロインの方が、需要はあるみたいですね。わたしは少人数派でいきます。
 内容の方は、曲者どうしの結婚の話ですね。出てくる人がみんなひとくせある人ばかりで、それぞれがそれぞれの思いを持って動きます。特にシェリーは、美少年愛好家だと不穏な噂が建てられていますが、その実は、クロードが警戒を解くように、辛い目に遭っていた子供を助けていたからですね。どうして切羽詰まっている子供達を助けるようになったのか、その理由も切実で、クロードが警戒を解くのもわかります。
 シェリーの旦那となるクロードですが、ある理由で、弟であるクロードを溺愛する傍ら、あまり外に出さないようにしています。そんなクロードにシェリーは過保護だと指摘するのですが、その背後には、ルースだけでなく、国王も巻き込んでしまいかねない理由があります。これは最後の方で明らかになるのですが、それを抜きにしても、クロードはきっと死ぬまでルースを溺愛するんだろうな。そしてシェリーも、クロードに惚れたとはいえ、美少年好きがゆえに、クロードと一緒になってルースを可愛がり続けるんでしょうね。
 このクロードといえば、レビューで、「熊のような顔だと書いてあるのに、挿絵では美形」だというような感想がありました。ちょっと違いますと言わせていただいていいでしょうか。本文では、正確には、「熊のよう」ではなく、シェリーのクロードの第一印象は、「人食い熊を一撃で仕留める熊殺し」だと書かれています。先を早く読みたいあまり、文章をぶっ飛ばして読むことはよくありますけれども……。
 貴族もので、強いヒロインがお好きでしたらお勧めです。シェリーが男前ですよ。



・「悪魔な妃の危険な婚姻」宮野美嘉
 悪魔の呪いを受け、人並み外れた怪力の持ち主として生まれた王女、ユーリア。自分の力を恥じて目立たぬようひっそりと暮らしてきたが、新王ジオンとの政略結婚が決まってしまう。ところがジオンは大の女嫌いで「お前と馴れ合うつもりはない」といきなり拒絶宣言。秘密を守りたいユーリアにはむしろ好都合だったが、ジオンとともに過ごすうち、彼に触れられたいと思うようになり――。(あらすじ引用しました)
 これも宮野さんの本です。これは「黒衣の~」とは少し違い、ヒロインはちょっと臆病な子ですが、そのかわりというか、彼女の周りにいる人達はかなり癖のある人達です。ヒーローもそうですが、ヒーローの姉や、ヒロインを呪っている悪魔やら。特にヒーローであるジオンが女嫌いになった元凶でもあるジオンのお姉さん。このひと、最初から強烈でした……。ただ彼女も、彼女なりの考えがあって、なんとか弟に恋をさせようとしていたのかと、最後の方で分かりますけれども。でもやっぱり、ちょっと仲良くなれそうにないわ……。
 ユーリアはあらすじにもある通り、人並み外れた怪力を持ちますが、それが原因で初恋の人を傷つけてしまったことをきっかけに、ひたすらひきこもるようになります。その間、彼女に分け隔てなく接していたのが、彼女に呪いをかけたという悪魔です。この悪魔というのも、ユーリアが嫁いだ国では全く別の存在にひっくり返ることになります。同時に、ユーリアの持つ怪力も呪いのせいではないということも判明します。
 それにしても、女嫌いだというジオンも、ユーリアの世間知らずさと、それゆえに純情な彼女にさすがにほだされていく経緯がたまりません。ふたりのやりとりや触れ合いは読んでいて微笑ましかったです。触れ合いは大事だなあと思いました。



・「暴君との素敵な結婚生活」宮野美嘉
 父親の命令でルナリアが嫁ぐことになった相手は、冷酷な暴君と恐れられる伯爵ヴォイド。天文学が大好きなルナリアは研究が続けられなくなることを悲しむが、ヴォイドは意外にも妻の学問を許すと言う。夢を応援してくれたと感激するルナリアはヴォイドを「優しい旦那様」と呼び、主人に怯える館の使用人達を驚かせるが、ヴォイドもまた自分を怖がらずに笑顔を見せるルナリアに困惑して――。(あらすじ引用しました)
 立て続けに同じ作者の本ですが、これも可愛かったですよ。何が可愛かったって、新婚夫婦がです。にこにこと笑うルナリアに、どうしたら喜ばせることができるだろうと考えるようになるヴォイド。たまらん。
 ただ、あらすじにもある通り、ルナリアは大の天文学好きだとありますが、あまり天文学には触れられていません。あとがきでは、作者は天文学の専門用語や式も調べてみたようですが、難解だったとのこと。天文学要素を入れた方がいいかと悩んだようですが、恋愛小説だからとやめにしたようです。ので、あまり天文学的なものはないです。「天地明察」でも、専門の道具は出てきますが、計算方法とかはあまり出てきませんでしたね。
 挿絵は「伯爵と妖精」シリーズも担当された高星麻子さんなので、麗しいイラストが拝見できます。表紙も綺麗です。ルナリアも可愛いし、ヴォイドもしかめっ面がかっこいい。たまらん。ルナリアがヴォイドににこにこと笑いかける挿絵もあって、もうこれだけでもルナリアとヴォイドの性格がよく伝わってきます。たまらん。
 ヴォイドが先代の館の主と瓜二つだと恐れられていると書かれていますが、話が進むにつれて、ヴォイドだって最初からそうなりたくてなりたかったわけじゃないんだなと分かります。ルナリアが来るまで、ヴォイドに優しい愛情を注いでくれる人が誰もいなかったんだろうなと。ただ、ヴォイドも、先代の主のようにはなりたくないという思いはどこかにあったんだろうと思います。でないと、ルナリアに困惑しつつも、好んで傷つけようとは一度もしないどころか、彼女を喜ばせたいと思わないでしょうしね。なんだかんだで不器用ながらもいい男よ……。
 ただし、いい感じになったところで、ルナリアの母親がルナリアを取り戻そうとして、ルナリアとヴォイドを仲たがいさせようとします。それでルナリアとヴォイドは喧嘩というか、擦れ違ってしまいますが、ルナリアの天文学の師のとりなしもあり、仲直りします。よかった。
 このように、この話は新婚夫婦がすげえ可愛いんですが、ルナリアの母親から分かる通り、ちょっと脇役の方が重いです。わたしみたいに色んな話を読んで来たおばちゃんはいいですが、確かに中学生や高校生にはちょっと抵抗がある要素があるかもしれません。



・「チョコレート・ダンディ~可愛い恋人にはご用心~」我鳥彩子
 侯爵家の嫡男オスカーは、金と身分が目当ての女達に絶望していた。そんな折、友人のユーディに唆され、小説家志望の少女アデルを匿名で支援するという賭けに乗ってしまった。欲しいものを全て与えて、アデルが堕落すればオスカーの勝ち。甘えずに夢を叶えたらユーディの勝ち。ところが、贈り物攻撃に全く興味を示さないアデルに、オスカーは戸惑いながらも興味をひかれてしまい――。(あらすじ引用しました)
 例の如く、何か面白い本はないかなあとあまぞんで探していて見つけた本です。あらすじからも分かると思いますが、あまぞんのレビューにある通り、「あしながおじさん」を現代風に書いたみたいなお話です。ただ、読んでみて思った感想は、良くも悪くも少女小説だなというものでした。
 オスカーは付き合っている女の人達が最終的にはお金と身分に目の色を変えるのに嫌気がさしていて、女性不信になりそうになりますが、そんな彼に、友人であるユーディが提案をします。それを受けてしまったオスカーは酒の勢いだと後悔しそうになりますが、それでもアデルへの援助をやめないところに、彼の希望が透けて見える気がしますね。あまぞんのレビューにもありましたが、女の人がみんなお金と身分に目の色を変えるような人ではないと思いたい気持ちもあるんだろうなと思います。だからこそ、アデルがどんな子なのかを見極めようとして、チョコレートおじさま(アデルがオスカーにつけたあだ名みたいなものです)だということを隠して、アデルにこっそり会いに行ったり、彼女に挑発するようなことを言ったりしますが、結果として、アデルを怒らせてしまうんですね。そりゃそうだ。
 ただ、あしながおじさんと違うのは、一話の終わりで、早くもオスカーがチョコレートおじさまだとばれてしまうところと、その後のお話で、アデルを気に入らない女の子達に嫌がらせを受けるところでしょうか。この辺りが良くも悪くも少女小説だと思ったところです。確かに数々の障害を乗り越えて一緒になる、というのも、少女小説や恋愛小説にはよくある話ですが、本文の中でオスカーが言うように、「無理に波乱を起こすこともない」と、わたしも思うので、そんなに色々詰め込まなくてもよかったんじゃないかなと思うのですよ……。
 そういうわけで、おばちゃんはちょっと楽しめませんでしたが、王道が大好きな方は楽しめるかなと思います。



・「ガソリン生活」伊坂幸太郎
 のんきな兄・良夫《よしお》と聡明な弟・亨《とおる》がドライブ中に乗せた女優が翌日急死。パパラッチ、いじめ、恐喝など一家は更なる謎に巻き込まれ――? 車同士がおしゃべりする唯一無二の世界で繰り広げられる、仲良し家族の冒険譚。(あらすじ引用しました)
 やったああああ。久し振りに伊坂さんの本が出たあああああ。しかも分厚い! 読み応えありそう! と、行きつけの本屋さんで見つけた時は即買いました。買った時はこんなふうに心の中で喝采をあげておりましたが、実際は黙々と代金を支払っておりました。無愛想なお客さんですみません……。でもこれからも本屋さんはあってほしいので、できるだけ本を買うようにしています。それでご勘弁を。
 内容はというと、ディズニーの「カーズ」を連想します。あらすじにもある通り、車がお喋りするんですよ。ただ、車が話すことを、人は聞くことも知ることもなくて、でも、人が起こす出来事やら事件やらには遭遇したり目の当たりにしたりして、はらはらしたり、ああでもないこうでもないとお互いに推測を話しあったり、妙に人間味のある車同士のやりとりが読めます。
 この話で特に印象に残ったのは、何と言っても、兄である良夫や母といった家族をはじめ、話が進むにつれてだんだん縁深くなる記者である玉田憲吾にも「子供らしくない」と言われてしまう、小学生の亨ですね。なんだろう、「とおる」っていう名前の付いた子供って、子供らしくないと言われる運命なんだろうか。うちの小説「ASC」にも出てくる透も、子供らしくないと家族や親戚に認識されていましたからね。
 この話でも、同じ作者の他の作品と同様に、色んな事件が起きて、色んな出来事の話が出てくるんですが、話が進むにつれて、巧妙に回収されていきます。この鮮やかな手腕は流石といいようがありません。わたしには真似できそうにない……。伊坂さんの本を読んでつくづく思うんですが、伊坂さんの最初の本を出した出版社に、ありがとうとお礼を言いたいです。おかげで伊坂さんの本が読めるようになったわけですから。
 亨のほかにも、車同士の妙に人間味のあるやりとりが印象に残りました。車があんなふうにお喋りするなら、どんな話をしているか、一度は聞いてみたいものです。ただ、この話を読んでしまったら、今後は車をぞんざいに扱えなくなりそう。事故を起こしたくも起こされたくもないので、運転は気をつけてはいますが、それでもひやりとすることはやっぱりありますからね。
 思ったんですが、交通安全の講座を開く時には、この本をおすすめしたらいいんじゃないでしょうか。車が擬人化した話を読んだら、わたしみたいに車をぞんざいには扱えないと思う人も絶対出てくると思うんですよ。
 ちなみに勧善懲悪の要素はちゃんとあって、悪いことをした悪い人達はちゃんとしっぺ返しをくらうので、安心して読めるのでおすすめです。
 ついでに、これは新聞で連載していたそうで、そちらのほうで載せていたイラストを一冊にまとめた本もあるそうで、そちらも買おうと思っています。あの癖のある絵もなかなか。

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