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先日にも書きました、買った本の読書状況です。まだ全部読んでいませんが、その中で読んだものをば。



・「宝石商リチャード氏の謎鑑定 導きのラピスラズリ」辻村七子
 銀座の店「エトランジェ」を閉め、正義の前から姿を消してしまったリチャード。新たな店主として現れたリチャードの師匠、シャウルから情報を得た正義はイギリスへと向かう。リチャードの秘密の原因となった何かがある国へ。旅の途上、リチャードの親族と名乗る男ジェフリーが正義に近づいてきて? 美しき宝石商を苦しめる過去の因縁と、「正義の味方」の決断は?(あらすじ引用しました)
 待っていた続刊です。前巻の終わり方が終わり方だったので、リチャードどうなるの、正義くんもどうなるんだろうと気になっていました。
 この巻では、あらすじからわかるように、リチャードが今まで家族から離れていた理由が明らかになります。同時に、リチャードの家族の事情を知った正義君の決意も語られます。
 読んだ後にじんわりきたのと、できれば読んでこの面白さと感動を味わっていただきたいと思うので、あんまり詳しく話したくないというのが正直なところです。
 話せるところといえば、この話でやっとというかようやくというか、リチャードの師匠が出てくることでしょうか。この師匠、あのリチャードを鍛えただけ合って、ただものじゃないです(笑)。この師匠は、リチャードの居場所を知りたいという正義にある質問を投げかけて、正義は想い人である谷本さんの力も借りて、見事それに答えて見せます。
 師匠の質問の答えを見つけるまでの間に、ある人物と接触したことで、リチャードの行き先を知った正義は、師匠の太鼓判をもらったこともあって、リチャードが行ったところへ飛び込みます。
 そこで知るリチャードの家族とそれに絡む事情もさぞドロドロしたものなんだろうなあ、と思っていたんですが、リチャードを指定した相続遺産の中身が、誰もが予想だにしなかったものと明らかになったところから、見事にひっくり返ります。読みながらつくづく思ったんですが、裏手に出るという言葉はこういうことを言うのでしょうね…。 
 個人的に笑えたのは、正義の「じゃあもう愛でいいです。俺はあいつを愛してるので」といった場面ですね。リチャードの師匠が「ブラーヴォ」と賞賛を送りたくなるのもわかります。正義くんはいい子だなあ。
 ただ、最後にはなんとかおさまったので、よかったです。でも心配なことがひとつ。きれいな終わり方になっているので、このシリーズはもうおしまいなんでしょうか。正義くんと谷本さんの行方も気になるので、もうちょっとだけでも続いてほしい。



・「キネマ探偵カレイドミステリー」斜線堂有紀
 「休学中の秀才・嗄井戸高久を大学に連れ戻せ」。留年の危機に瀕するダメ学生・奈緒崎は、教授から救済措置として提示された難題に挑んでいた。しかし、カフェと劇場と居酒屋の聖地・下北沢の自宅にひきこもり、映画鑑賞に没頭する彼の前に為すすべもなく…。そんななか起こった映画館『パラダイス座』をめぐる火事騒動と完璧なアリバイを持つ容疑者…。ところが、嗄井戸は家から一歩たりとも出ることなく、圧倒的な映画知識でそれを崩してみせ――。(あらすじ引用しました)
 あらすじからしてそそられたのですが、あらすじが面白そうでも、話のほうは…ということはけっこうあるので、出てからもしばらく手が出せませんでした。中野さんの本を買うついでに見てみたら、評判がよかったのでぽち。
 最初の話からぐいぐいと引き込まれました。映画はわたしもそんなに見るほうではないのですが、知っている映画もいくつか出てきたので、作者さんと同様に映画好きの方ならより楽しめると思います。
 話の中で起こる事件も、映画をよく知っている人じゃないと確かにわからないだろうなあという種明かしがありまして、この作者さんだからこそかけたんだなと思いました。最初の事件で明かされたフィルムも、そういうフィルムが合ったとは知りませんでしたし。
 ただひとつ、難をいえば、嗄井戸《かれいど》が引きこもりになった原因というか理由でしょうか。これも最後の話で明かされるのですが、もうちょっとなんとかならんかったのだろうかというくらい、えぐい理由でした…。いや、外に出られなくなるくらいなんだから、よほどの理由でないと無理だったのかもしれませんが、うーん…。
 最後の話で起こる事件も、映画好きもここまで極まると恐ろしいなと思うものでした。切り裂きジャック事件を思い出してみればわかりますが、あれは映画化されたこともある実話で、自分も映画化するくらいのことをと暴走してしまう人が出てきます。この人の思考回路はたぶん誰にもわからないと思うんだ…。
 でも奈央崎と嗄井戸のかけあいは面白かったので、この作者の本がまた出たら買おうと思います。次はあんまり気が滅入るような要素がない話だといいなあ。



・「中野京子と読み解く運命の絵」中野京子
 とめられぬ恋、終わらぬ戦い、狂気の先には!?画家の人生を変えた一枚、運命の瞬間を留めた名画――。英雄の葛藤、恍惚のとき、流転の始まり…。描いた者、観る者の心を揺さぶるドラマに迫る。(説明文引用しました)
 「怖い絵」で有名になった中野さんの新刊です。いえーい。
 この本では、中野さんのほかの本と比べると、あんまり怖そうな絵はなく、不思議な絵が多かったです。あくまでわたしの印象ですけれども。
 最初の「差し下ろされた親指」(ジェローム)の絵を見て、すぐに「ONE PIECE」のドレスローザ編に出ていたコロシアムを連想しました。あの話はこの絵から思いついたんだろうかと、読みながら思いました。尾田さんもいろんなところから話のヒントを得ているんでしょうね。
 毎度のことですが、どの絵にも歴史的背景や神話がちりばめられており、知識がなければ楽しめないようになっていて、中野さんはそれをひとつずつ丁寧に解釈してくれます。この知識の豊富さはただものじゃない…(ゴクリ)。中には、実話を基にして描かれた絵もあって、これ本当にあったことなのかと驚くだけでなく、それが政治的にも利用されたこともあるという説明にもっと驚きました。
 個人的に印象に残ったのは、「ヒュラスとニンフ」でしょうか。ヒュラスというのはヘラクレスの息子の名前で、ヘラクレスがある冒険に出たときに、彼も同行していたんですが、ある島に水を求めて上陸したときに、ヒュラスは消えてしまいます。ヘラクレスは必死で彼を探すんですが、結局どこを探しても見つからず、この親子は表舞台から姿を消します。
 ヒュラスはどうなったのか。中野さんの言葉を借りると、「それを描いたのが、本作なのだ」。ここではヒュラスが複数の美しいニンフに囲まれて、まさに今、水の中に引きずり込まれる寸前を切り取った絵が描かれています。
 どうしてヒュラスはニンフに引きずり込まれたのか、そこに隠された深層的心理も説明されていて、改めて絵の世界は奥深いと思いました。

 以下、拍手返事です。

>酒樂様
 エイプリルフール、楽しんでいただけたようでよかったです。笑っていただけたようで(笑)。
 読書状況、早速上げてみました。こちらも参考になれば幸いです。壇蜜さんの本は、以前にも「どうしよう」や「壇蜜日記」も読んでいて、その感想も上げていますので、よかったら。
 ではまた遊びに来てください。

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