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こちらではやっと梅雨入りしました。暑い日が続くようになりましたが、みなさまお元気でしょうか。熱中症には気をつけたいところです。
 では以下、あげるあげると言いながら遅くなってしまった読書状況です。ナマケモノにも程がある。



・「純喫茶「一服堂」の四季」東川篤哉
 鎌倉にひっそりと佇む喫茶店「一服堂」の美人店主・ヨリ子は極度の人見知り。だが未解決の事件の話を聞けば、態度豹変、客へ推理が甘いと毒舌のつるべ打ち。そして並み外れた思考力で、密室の「十字架」磔死体など四つの殺人の謎に迫る。(あらすじ引用しました)
 御存知、「謎解きはディナーの後で」を書かれた作者さんの本です。福岡に旅行に行く時に、空港の本屋さんで何かないかな~と思ったらこれを見つけたので即レジに行きました。
 帯に「珈琲店タレーランの事件簿」の作者の推薦文がちょこっとあるのですが、すみません、わたしはタレーランよりもこっちの方が好みです。タレーラン、ちょこっと読んでみたんですが、うーん…。男の人が好きな女性をそのまんま主人公にしてみましたという感じでね…。
 いやいや、「一服堂」の感想でした。タイトルの通り、四つの季節ごとに起きた事件を、「一服堂」を訪れたお客さんから話を聞いた若い女性店主が瞬く間に推理して解くという内容になっています。
 相変わらず「謎解き~」シリーズのように、それぞれのキャラがちゃんと立っているし、ばかばかしくて笑えるところも随所にしっかり織り込まれています。この笑いのセンスはさすが東川先生。ワイも見習いたいですが…なかなかできませんね。
 個人的に印象に残ったのは、第三話の「切り取られた死体の謎」ですかね。何せ、このお話には、少しばかり――いや、かなり変わった? 趣味を持つ男の人が出てくるのですが(この人が犯人です)、罪を犯した理由が理由なだけに、被害者が哀れに思えてきました。あんた…そんな理由で何の罪もない人に手をかけたらあかんよ…。
 この本の後に、相葉君が主演を務めている「貴族探偵」も読んでみたんですが、ドロドロしておりました…。うん、まあ、殺人事件が起きるとなったら、やっぱりドロドロも生まれますよね…。仕方ないっちゃ仕方ないけども、ワイは東川さんの本みたいにカラッとしている方が好きです。
 推理ものを読んでみたいけど、ドロドロしているのはいやだなあという方にはおすすめです。



・「スイーツレシピで謎解きを」友井羊
 高校生の菓奈は人前で喋るのが苦手。だって、言葉がうまく言えない「吃音」があるから。そんな菓奈が密かに好意を寄せる真雪は、お菓子作りが得意な究極のスイーツ男子。ある日、真雪が保健室登校を続ける「保健室の眠り姫」こと悠姫子のために作ったチョコが紛失して――。鋭い推理を詰まりながらも懸命に伝える菓奈。次第に彼女は、大切なものを手に入れていく。スイートな連作ミステリー。(あらすじ引用しました)
 ごめんなさい、ちょっと一言よろしいでしょうか。お菓子が出てくるという意味では、確かにスイートではありますが、話の内容もスイートかというと、あんまりそうではないように思いました。
 「英国王のスピーチ」でご存知になった方もいらっしゃると思いますが(わたしもそうでした)、吃音という障害を持った女子高生が主人公です。家族には吃音の症状は出ないのですが、家族以外の人とは吃音の症状(言葉が詰まるなど)が出るので、人と話すのがすごく苦手な彼女ですが、あらすじにもあるチョコ紛失事件をきっかけに、周りの人と少しずつ関わっていくようになります。
 それはいいんですが、話が進むにつれて、なんかだんだん人の闇の部分が濃くなっていくような…。特に、第六話の「クッキーが開けられない」で、保健室登校を続けている悠姫子が保健室登校になったきっかけである事件が解かれていくのですが、この事件がもうね…。いたたまれないというか、アイタタタというか…。空気を守るためだけに誰かを犠牲にするって、そりゃよくないと思うよ…。
 些細ないたずらや悪ふざけだったとしても、それがずっと続くと、やっぱり人間、嫌になるもんだよなと思いました。自分がされて嫌なことをしたら駄目ですよって、みんな親からなり周りからなり教われればいいなと思うんですけどね。
 わたしも聴覚障害を持っているので、吃音がどんなものなのかを知らない人から悪意のない言葉で傷ついたようにとまではいきませんが、高校時代に、耳が聞こえないと知っているはずなのに、耳の傍に顔を近づけて話をされたことがあります(先生でした)。耳の傍に口を近付けられても、普通の人のように音だけで分かることはできないんですよ…。わたしの場合、口の形を読んだり、それが無理だったら筆談だったりで、コミュニケーションをとってます。手話も習っていないのに、耳が聞こえないと知った(プラス手話を習った)人から、初っ端から手話で話されたこととかもありますね…。聴覚障害=手話という認識は取っ払っていただけないだろうかなあとたまに思います。あと、病院に行くのはちょっと嫌な時もあります。こちらから申告しないのも悪いんですが、マスクをつけたまま話をされると、何を言っているのかさっぱりわからなくて逃げたくなりますし、先生の口の動きがほぼ動いていないと、やっぱりこっちもなにをおっしゃっているのかわからなくて以下同文。
 最後は愚痴になりましたが、知らないことがあったら、思い込みやイメージだけでなくて、ちゃんと知る努力をするのが大事だよなと思った本です。



・「シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱」高殿円
 クール&クレバーで電脳を駆使する名探偵シャーリー・ホームズと、だめんず好きでお人好しの女医ジョー・ワトソン。コナン・ドイルの正典の主要キャラ達を男女逆転させ、更に舞台を現代へとアレンジ。(紹介文引用しました)
 シャーロック・ホームズの男女逆転ものと紹介されていて、どんなもんかなと手に取ったものの、なかなか手が伸びず…これも福岡への旅行の時に読みました。
 文章はしっかりしているな~と思ったんですが、現代を舞台にしているとのことですが、いやいやこれはどう考えても近未来の舞台じゃないか? と思いました。たとえば、シャーリーとジョーが一緒に住む家――221bのアパートが電脳家政婦によって管理されているところとか。人工知能という言葉をよく聞くようになりましたが、さすがに人工知能がアパートやマンションを管理する時代にはまだなっていないんじゃないでしょうかね…。
 キャラ設定についても、男女逆転するのは素晴らしい発想だと思いますが、ワトソンの設定がどうも…。いっぱい恋愛経験をしたんだけども、ぜんぶ相手に振られて終わっているという過去話がちょこっと出てきまして、本家のワトソンはそんなキャラだったかなと。
 読んだ時は文章がしっかりしていたし、会話のテンポもよかったです。でもごめんなさい、もうちょっと本家に寄せてみたらよかったんじゃないかなあと思います。



・「壇蜜歳時記」壇蜜
 壇蜜さんの連載していたエッセイをまとめた本になります。今回の中ではこれが一番良かったですね。連載の時はちょっとあれなタイトルだったみたいですが、内容はちゃんとその季節に合った話題や、壇さんの考えていることだったり願望だったりが、時にユーモアを、時にシュールも交えて書かれています。ええ、シュールでした…。
 個人的にかなり印象に残ったのは、カタツムリを身体に這わせた写真が載った写真集がめちゃくちゃ売れたというお話でした。ね、シュールでしょ。
 他にもけっこう興味深い話がいろいろありました。例えば、「超えてはならない一線ってどこ?」という話では、過去付き合っていた恋人と別れた経緯が書かれています。「どれも「自分を出して」迎えた結末」だと、本文で語っていますが、最後に「一線越えないって難しい」と結ばれておりました。超えたらいけない一線って、人によると思うので、難しいよなあと共感しました。
 他にも、高校時代の思い出とか色々語られていて、読みながらわたしも高校時代を思い出していました。当時、数学が難しくて嫌だったのですが、その数学のテスト後の答え合わせ&解説の時間で、わたしの答案用紙を確認した後に黒板に向かっていった先生に赤ペンのキャップを持っていかれたこととかね。幸い、あの…返して…と遠慮がちに先生に向けた手から察してくれた、近くの席のクラスメイトに、「どうしたの?」と聞かれて、「キャップ…」と控えめに答えた後、その子が「先生、キャップ持っていっちゃってるよー!」と言ってくれまして、笑いに包まれるクラスの中、赤面しながらの先生に返していただきました。今となっては良き思ひ出です。あの先生とあの子、どうしてるだろうか。

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