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免疫つけよう
2017.06.23
二週間たってもまだたんが止まらないので、もっかい耳鼻科に行ってきました。副鼻腔炎だそうで、以前は四日分でしたが、今回はちょっと薬を変えて、一週間分もらいました。これで治るといいな。治ったら週に一回くらいは一時間程度の散歩くらいはしよう。免疫つけねば。
 以下、読書状況です。



・「筆跡鑑定人・東雲清一郎は、書を書かない。鎌倉の花は、秘密を抱く」谷春慶
 毒舌家で変人の書道家、東雲清一郎。筆跡鑑定も行う彼は、書を愛しているのに、書を避けている。しかし――客の目を引く見事な書店ポップ、鎌倉の寺社を巡った御朱印帳、祖父が読みたいと望んだ特別な小説、少年が誰にも見せたくなかったメモ――気持ちに嘘はつけても、文字は偽れない。文字に秘められた想いを、清一郎は明らかにしていくが……。古都・鎌倉を舞台に、文字と書、人の想いにまつわる事件を描くミステリー。(あらすじ引用しました)
 印象に残ったのは、最初の話の「清一郎、脅される。」でした。いやあ、美咲も話の中で「男子って、どうして馬鹿なんだろう?」と言っていますが、まさにこの言葉通りのお話です。
 最初はあらすじにもある通り、美咲のバイト先にある書店のポップから始まるのですが、一方で、清一郎も、「彼女と別れろ」という不幸の手紙をもらうようになったと不機嫌な調子で。別々の出来事に見えましたが、話が進むにつれて、ポップを描いた人と、清一郎に不幸の手紙を送りつけた人物が同一人物であることが明らかになっていきます。しかもこの犯人の動機が、まさに恥ずかしい勘違いでね…。いや、よくある話と言えばそうかもしれないんですが…確認くらいしようぜ、少年、と、読みながら思いました。そしてかわいそうにとも(苦笑)。
 あとは最後の話の「清一郎、頑張る。」もよかったです。清一郎は、自他共に認めるように、美咲のようにおせっかいではなく、自分から進んで人助けをするような可愛い性格ではないんですが、妹の友人の弟がいじめの疑惑がかけられているということを妹から聞いて、酒の勢いもあって、その疑惑を確かめる依頼を受けます。酒が覚めた後に、美咲に渋々と協力を乞うのですが、誰かに協力を乞うだけでも、最初を思うとだいぶ成長したなあと思います。まるくなったね清一郎君。
 結果としては、両親の離婚を受けて、その子供がとても思い詰めたための行動だったと判明して、その子供の父親がいたく反省するという終わりになります。いつの時代も子供が親に振り回されるのは常だなあと思います。
 で、最後に、美咲は清一郎が書展に作品を出したと聞いて、むりやり清一郎に書店の開催場所に案内させるのですが、そこで自分の作品を美咲に見られた清一郎がかわいかったです。かわいいねえ清一郎君。
 続編が出たらまた買います。個人的には美咲と清一郎の関係が発展して欲しいところ。



・「ブライディ家の押しかけ花婿」白川紺子
 マリー・ブライディは伯爵令嬢でありながら、社交界にも出ず、魔法石の研究に没頭している十七歳。ある日、酔っぱらった父が「おまえの花婿を拾って来てやったぞ」と、ひとりの青年を連れてくる。デューイというその青年は、なんとこの国の青年だった。デューイはマリーに求婚するが、独身主義のマリーは結婚する気など全くない。だが、デューイは花婿として家に居座ってしまい……?(あらすじ引用しました)
 全体としてはライトノベルかなと思いますが、話の折々にちょっと重い要素もあります。たとえば、最初の方に魔法石連続窃盗事件が起こっていると語られますが、犯人は動物――犬だったと判明します。その犬がどうして魔法石を盗むようになったのかという動機が、病気がちな主人に元気になって欲しいというものだったのですが、この主人は既に亡くなっていました。この犬の主人はまだ大人にもなっていなかったのですが、親が、とりわけ父親がこの主人に何もしなかった理由ももうね…。結婚したら大人しくしようよと思いました。
 このお話には、魔法石が出てくるだけでなく、犬やウサギになったりと色々な魔法や、動物使用人という、動物好きにはたまらんキャラクターも出てきます。主に出てくる動物使用人は、マリーに仕えているウサギの動物使用人のクロルと、デューイの友人に仕えることになる熊の動物使用人のブルーノですが、クロルのとぼけたような性格がたまりませんでした。しかも、お話の中には、このふたりが人間になる魔法がかけられる場面もあって、その挿絵もあるという。なんて素敵。
 ただ、最後には、自分は選ばれなかったという劣等感をずっと持っていたマリーが、同じような、けれども根の深い思いをしたために風にもなれなかった魔法石を宥めることになるのですが、この魔法石の元々の人物がかつて味わった過去の片鱗も、けっこう重いものでした。それは辛いなあ。結果としては、デューイの協力を得たマリーによって宥められるので、よかったです。
 挿絵や表紙の絵も素敵で、全体的にはかわいいお話かなと思います。



・「古道具屋皆塵堂 祟り婿」輪渡颯介
 怪しげな曰く品を扱う皆塵堂で、連助という男が働き始めた。だがこの連助、幽霊や呪いや祟りの類を絶対に信じようとしない。幽霊が見える太一郎などは天敵だ。連助の婿入りが決まっている紅白粉《べにおしろい》問屋六連屋《むつらや》では、なぜか跡継ぎの婿が次々と早死にしていた。皆塵堂の主の伊平次らは、祟りの正体を突き止められるか?(あらすじ引用しました)
 皆塵堂シリーズの文庫の最新巻です。出ましたねえウフフ。
 ただ今回は、幽霊や呪いや祟りは出ても、そんなに怖くなかったです。いや、皆塵堂で新しく働き始めた連助の婿入り先の祟りの話はちょっとぞっとしましたけどね…。質屋敷で妙な音がする、衝立から顔がのぞく、幽霊が出る屋敷、そして最後に連助が婿入りする先の問屋で続く祟りの話が収められています。
 幽霊が出る屋敷では、ひょんなことで、連助だけでなく、太一郎の幼馴染であり大の猫好きでもある魚屋の巳之助が泊まりがけで、屋敷の中の片づけをすることになります。どんな幽霊が出るかというと、綺麗な若い女性の幽霊だそうですが、最初は連助も巳之助も、案内する女性が来るからと聞かされたこともあって、綺麗な若い女性と会っても、それが幽霊だとは気付かないんですね。翌朝、片付けも終わりにかかった頃に、伊平次だけでなく、一日間違えたと、案内する女性がやってきて、自分達が会った女性は幽霊だったのだと巳之助はうすら寒い思いをします。だけでなく、案内するはずだった女性に巳之助が聞きたかったこと――猫は好きかという質問に、嫌いであってくれと思う巳之助に、この女性は「大好きですよぉ」と答えて、たまらず巳之助は逃げ出します。二重の意味で可哀想に(笑)。
 最後の話では、連助が婿入りする先の問屋である祟りの正体に迫りますが、その正体を知った太一郎と巳之助、そして伊平次らはどうしたものかと頭を抱えます。何せ、祟りの正体は刀で、その刀で命を落としたのは四人だと判明します。しかも、そのうち一人は赤ちゃんで、もうひとりは女性(残り二人は男性)という…。太一郎と巳之助も、店の者から話を聞いていて嫌な顔になっていくのですが、読むこちらも嫌になってきました。そんな恐ろしいものを祀るんじゃないよこんにゃろ。
 結果としては、以前にも太一郎とかかわりのあった礼蔵という人物に、太一郎が頼み込んで、店の者にくだんの刀を持ちだして貰い、無頼者とやり合う中でその刀を折ります。よかったよかった。わたしも読みながら、どうやって刀を片付けるんだろうと思いましたが、しかし人間、どんな力があるか分からないもんですね。
 ここだけの話、礼蔵さんて誰だったかなと、すっかり忘れてしまったので、改めて最初の話から読みなおそうと思っています。ごめんなさい礼蔵さん。
 まだ続編があるみたいなので、早く文庫化してほしいところです。



・「装幀室のおしごと。~本の表情つくりませんか?~」範乃秋晴
 この本にはどんな表紙が似合うだろう? 紙の種類は、帯の有無は、中身の文字組みはどうしよう? こうして試行錯誤を繰り返して、時には編集や作家と熾烈に火花を散らせながらも、その本だけのぴったりなデザイン〝本の表情〟を生みだすのが「装幀家」の役割だ。それを信条に出版社の装幀室で働く本河わらべは、その男の言葉が信じられなかった。「本の内容には目を通さない主義だ。中身を読もうが読むまいが、売り上げが変わるとでも思っているのか?」(あらすじ引用しました)
 この作者さんの名前、なんだか見覚えがあるなあと思ったら、それも道理で、以前に紹介したことのある「鴨川貴族邸宅の茶執事」を書かれた人でした。
 読んでみて思ったのは、ドラマになりそうなお話だなあというものでした。いや本当に。
 本をつくる仕事は知ってそうで知らないことばかりなので、カバーや表紙、また帯の有無など、帯に載せる推薦文なんかもいろいろな調整があって決められるという装幀の仕事の内容は興味深かったです。そして同時にちょっと申し訳なく思いました。どんな表紙なら人に読んでみたい、買いたいと思わせることができるかが重要視されるというようなことも書かれていたので、ごめんワイは表紙とかじゃなくて、作者さんとかあまぞんのレビューなんかで買うかどうかを決めてるんや…と思ったので。
 出てくる登場人物も、それぞれの考えを持っているがゆえに、仕事のやり方も違うんですね。わらべさんと巻島さん、このふたりを中心に話が進んでいくのですが、わらべさんはゲラ(原稿)を読んでから表紙のレイアウトをつくるのに対し、巻島さんはゲラに目を通さずに表紙のレイアウトをつくると、実に対照的です。新撰組に焦点を当てた本をつくることになるのですが、新撰組を調べた上でレイアウトをつくったわらべとは反対に、巻島さんは一般的に知られている新撰組のイメージでレイアウトをつくり、結果は巻島さんの作ったレイアウトが採用されます。
 というふうに、最初は何かと衝突が多いのですが、最後のほうに湯川さんという作家の本を出すに当たり、わらべは巻島さんのやることに怒らなくなっているところからして、なんだかんだでうまくやれるようになっていきます。というより、湯川さんの無茶な要求にどうすればいいんだと頭を抱える巻島さんに、わらべが助けの手を出すことになるんですね。
 この湯川さんも過去に根の深い出来事があったために、編集に対してあれこれ無茶な要求を通すようになったことが語られるのですが、イメージは恐ろしいなと思いました。
 また続編も出るそうなので、どうしようかなと考え中です。

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