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台風上陸中
2017.08.06
台風が上陸しておりますね。こんな日でも新聞と荷物はちゃんと届けてくれるので、有り難い限りです。でもさすがに危険な日はお休みください。わたし達も申し訳ないので。
 何度も申し上げていますが、台風が来たら外出は控えましょう。これを書いてる時にも二回ほど停電になりました。台風が来た時は蝋燭と灯りは必需品です。
 では以下、読書状況です。



・「ONE PIECE 86」尾田栄一郎
 マム暗殺作戦の全貌が明かされる。強靭な肉体を持つマムに傷をつけるには、ある弱点を衝かなければならない。難題を前に、ルフィ達の作戦は無事成功なるか?(あらすじ引用しました)
 やっとというかようやっとというか、サンジとプリンの結婚式が始まります。サンジもやっとルフィ達と合流して、お互いに帰る・取り戻すという意志も確認できたし、さあこれから楽しみだ! と思っていたのですが、意外な展開がけっこうありました。
 何が意外って、サンジの女好きなところですかね。サンジは根っからの女好きで、そこまで女好きになっていいのかなあ、と、サンジには悪いですが、ちょっと呆れてました。しかし、ここでその女好きの本領が発揮されたというべきか…。プリンとの誓いのキスで、プリンの第三の目を近くで目の当たりにしたサンジは、思わぬ一言を発します。その言葉に、プリンは衝撃を受けて、サンジに発砲できなくなり、その場に倒れてしまうんですね。同時に、プリンが過去に経験した悲しい出来事も明らかになり、実の親(ビッグ・マム)からも、昔から可愛がられていたわけではないということも知れます。ビッグ・マムよォ…。
 ビッグ・マムと言えば、彼女が幼い頃からもう既に化物だったという過去話もあります。その化物さゆえに、実の親から捨てられ、マザー・カルメルという女性の元で、同じように親から見捨てられた子供達と一緒に育ったことが語られます。ただ、このマザー・カルメルも、ただ無条件で孤児を育てていたわけではなく、目をつけた子供を政府に売っているという裏の顔を持っていました。聖人なんてこの世にはいないよなあ、と、ワイは納得しました。
 ただ、マザー・カルメルは、昔のある日失踪したと、ベッジと一緒に作戦を練っていた時に、ルフィ達はベッジからそう聞かされるんですが、その失踪がどんなものだったかも、過去話で描かれます。じゃんぷで立ち読みした時は、てっきりマザー・カルメルが、ビッグ・マムがお菓子に夢中になっている間に、子供達を連れて出ていったのかと思っていたのですが、改めて読み返してみると、恐ろしい想像しか出て来ない…。まさか、わんぴーすで、進撃の巨人や東京喰種みたいな捕食ものを読む羽目になるとは思いませんでした…。その目撃者の一人となった、ビッグ・マムの料理人であるシュトロイゼンは、いつかその事実を話すのかな? でも話したらビッグ・マムはショックを受けるだろうから、死ぬまで話さないだろうし、うーん…。
 あ、読む羽目になるとは思わなかったと言えば、もうひとつ、ジェルマが変身するシーンがあります。まさかウルトラマンみたいな変身シーンを見る羽目になるとは(笑)。ただ、この変身した時のジェルマの人達は、不本意ながらかっこよく見えてしまいました。この後の反撃シーンもよかったです。くう、サンジを苦しめた人達のことがカッコよく見える日が来るとは…。
 サンジ達に助けられたことで、レイジュ以外のジェルマの人達は、自分達が役立たずだと見くびっていたサンジの存在がどんなものだったかを思い知ったと思うので、その思いをこれから抱えていくがいいさと思いました。
 個人的には、ベッジの冷静さが光ったなあという巻でした。これからも楽しみにしてます。



・「ダチョウは軽車両に該当します」似鳥鶏
 県民マラソン大会のコースを駆け抜けてくるのは「ダチョウだって?」――そして発見された焼死体。捕獲したダチョウと被害者とをつなぐものとは? キリン飼育員・桃くんにツンデレ女王・鴇先生、変態(!?)服部くん、アイドル飼育員・七森さんら、楓が丘動物園の怪しく愉快な面々が活躍する動物園ミステリー。(あらすじ引用しました)
 恥ずかしながら、作者さんの名前をニトリケイと読んでいたのですが、プロフィールでニタドリケイと読むと知りまして、そっちの読みだったのかと謝りたくなりました。すみませんでした。
 シリーズ二巻目になるこの話では、どこかから逃げてきたダチョウを捕獲するところから始まります。ダチョウを捕獲した後、桃くんと同じ動物園で働く女性・鴇先生が狙われるようになり、鴇先生の元職場が怪しいと睨んだ職員たちは、鴇先生の元職場を調べますが、その元職場にいる人間を疑い始めたと同時に、桃くん達は不審者に襲われそうになったり、殺されそうになったりします。なんて展開だ。
 話が進むにつれて、鴇先生の元職場がとんでもないことを起こそうとしていることが知れますが、読み進むにつれて、こっちも気が重くなっていきました。利益を得るために、あるいはライバル企業を潰したいがために、命を軽く見る人達はどこにでもいるもんですかね…。できればそういう人達は少ないと思いたいところです。
 結果として、桃くん達が最初に捕まえたダチョウは、新型インフルエンザに感染していた――というより、させられていたもので、鴇先生の元職場が、他にも新型インフルエンザに感染させていた鳥を隠していたことが明らかになります。桃くん達がそれを突き止めたので、なんとか新型インフルエンザの感染・拡大を止めることができましたが、そのかわり、新型インフルエンザに感染していた鳥は処分されてしまいます。うう…。
 シリアスな話ですが、桃くんや鴇先生、変態な服部君に、ちょっと変わった癖がある七森さんなど、出てくるキャラクターは個性揃いなので、割と中和されていると思います。特に鴇先生が照れるシーン、かわいいなと思いました。



・「迷いアルパカ拾いました」似鳥鶏
 「ちょっとここで、アルパカ拾いまして」――楓が丘動物園のアイドル飼育員・七森さんの友人が失踪した。行方を探る鍵はアルパカ? ハムスター? それとも……。飼育員仲間の桃くん、ツンデレ獣医の鴇先生、アイドル飼育員の七森さんや変態・服部君らおなじみの面々が活躍する、動物園ミステリーシリーズ第三弾。(あらすじ引用しました)
 タイトルの通り、話の最初から、仕事から帰ろうとしていた桃くんは、飼育員仲間である七森さんから「アルパカがいる」と連絡を受け、一緒にアルパカを捕まえます。このアルパカはどこかから脱走してきた可能性が高いと、桃くん達はアルパカがいたところを探しますが、目星をつけていた動物園からは「うちの子ではない」とことごとく否定されます。
 なぜか斎藤と名付けられたこのアルパカを調べていくうちに、やっぱりというかなんというか、桃くん達は襲われそうになったり、不審者を見つけたりします。ただ、桃くん達もただやられるだけじゃなくて、できることをしていきます。
 話が進むにつれて、失踪したという七森さんの友人と、最初に拾ったアルパカは関係があるとわかり、そのアルパカがいたところでは信じられないようなことが行われていたことが判明します。
 失踪した七森さんの友人は、何者かにつきまとわれていただけでなく、身の危険を感じたために、安全なところへと避難していたのですが、その理由が、彼女の就職先――つまり、桃くん達が保護したアルパカがいたところで、動物たちへの調教が行われていたんですね。その事実を世間に公表しようとしたら、それを止めるためにあれこれと脅されたので、七森さんの友人は逃げたと。
 動物たちへの調教と言うと言葉はよさそうですが、ぶっちゃけてしまえば虐待ですね。芸を仕込むために、思い通りにならなかったら痛い思いをさせたり、最悪の場合は殺してしまったり…。そんなところに就職してしまったと知ったら嫌になるわなあ、と、七森さんの友人にいたく共感しました。
 結果としては、楓が丘動物園にいたダチョウのボコの思わぬ行動により、その行動を目の当たりにした雑誌の記者によって書かれた記事により、七森さんの友人が就職したところの「仕事」が報道されます。その記事を受けて、警察もそこに捜査の手を入れたと。悪いことはするもんじゃないですね。
 個人的には、七森さんの友人の仕事先に忍び込んだ時に見せた鴇先生の活躍がよかったです。読みながらわたしも思わず「女王様…」と思ってしまいました。



・「モモンガの件はおまかせを」似鳥鶏
 フクロモモンガが逃げたと思しき古いアパートの部屋には、ミイラ化した死体が。一体誰が何の目的で死体のある部屋でモモンガの世話を? 謎の大型生物が山の集落に出現。「怪物」を閉じ込めたという廃屋はもぬけの殻だった。おなじみ楓が丘動物園の飼育員たちがオールキャストで大活躍する動物園シリーズ第四弾。(あらすじ引用しました)
 このシリーズは、本屋で目にしたこの四巻から読み始めました。本当は四巻を見つけた時に、一巻~三巻も買おうと思ったのですが、その本屋で見つけたのはこの四巻しかなく…しくしく。四巻を買った後で、ネットで一巻~三巻を注文しました。
 そんなどうでもいい裏話はさておき、この話では、道に迷ったので犬の散歩をしていた人に道を尋ねるところから始まります。でもこの道を尋ねた、犬の散歩をしていた人がなんだか怪しい――というより、飼育員的な勘から、犬の反応からして、いつも通りの犬の散歩のようには見えないと首を傾げてしまうんですね。気のせいであればという桃くん達の思いとは裏腹に、やっぱりというべきか、通りがかった公園で、一緒に遊んでいた友達がトイレに行ったきり帰って来ないという子供たちに会うんですね。そのいなくなった子供は、犬の散歩(のように見せていた)をしていた人に攫われそうになっていて、桃くん達がなんとか助けます。といっても、大活躍したのは、何というかもうお決まりの鴇先生でした。このときの鴇先生の相手への仕打ちったら容赦のないことないこと。「何せ仕事では、通常二人がかりで保定するコアリクイやオランウータンですら、この人の眼光で威圧されるとおとなしくなって治療台に乗るのだ」と、本文でも描かれていますからね。
 この後も、桃くん達はスコティッシュフォールド、モモンガ、最後に「怪物」と、動物がからんだ事件をおいかけることになります。印象に残ったのはやっぱり最後の「怪物」の事件ですかね。「怪物」の正体はオオアナコンダという恐ろしい大蛇だと明かされるんですが、そのオオアナコンダを捕まえた後に待っていた出来事がもう…。
 最初の話に出ていた、子供を攫うために散歩させていた犬も、スコティッシュフォールドも、モモンガも、アナコンダも、悪質な業者によって引き取っていた動物だと判明します。飼えなくなった動物を引き取って、そのまま放置された動物達を見つけた桃くん達は、動物愛護センターなどの団体と連携をとりながら、救出に当たります。
 このくだりで、桃くんが「珍しくて可愛いからという理由だけで、飼育方法もよく分かっていない動物を買うの、やめてほしいですね」と零すんですが、その通りだよなと思いました。志村動物園でも、病気になったからとか、色んな勝手な理由でペットを手放す人がいるという現実が放送されますが、未だになくならないんですよね…。ペットとはいえ、命なんですから、飼うからには最後まで面倒を見てほしいです。
 もうひとつ、桃くんのつぶやきで、「あまりむごいことはしてやるな、という気持ちくらいは、あってもいいのではないかと思う」という言葉があるんですが、たとえ飼えなくても、わざわざひどいことをすることをしなくなるだけでも、救われる動物はいるんじゃないかなと、わたしも思いました。
 これ以上嫌な思いをする動物が増えませんように。

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 上の写真は、職場で履いている上履きです。履き心地がいいというサンダルが有名なブランドのものですが、シューズもあるので、上の白とチョコレート色を愛用しております。
 ただ、入社時から毎日ずっと履いていたため、先日、廊下を歩いているときに、なんだか違和感あるな? と思ったら、底のソールがはがれておりました。アアァァ


 
 修理も受けているとのことなので、ネットで取扱店を探して、メールで問い合わせたところ、店舗への持ち込みのみ受け付けているとのことで、郵送では…というお返事でした。田舎の悲しさよ…アアァァァ

 でもこんなにきれいにソールがはがれていると、ちょっとムリっぽいかなというのと、だいぶ革も傷んできたかなあと思うので、泣く泣くお役目御免いただくことにしました。考えてみれば、入社からもう六年です。六年間もずっとがんばってくれてたんだよなあ。
 今までありがとう。

 さて、次のシューズは何にするかなあ。靴選びもなんだかんだで難しいよ…。

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こんにちは。6月の下旬ごろに一週間も長引いた風邪をひいたと書きましたが、そのときからずーっと鼻水が喉に落ちてくるのが止まりません。この喉に落ちてくる鼻水を、耳鼻科で副鼻腔炎かもといわれるまではたんだと思っていました。なかなか止まらないので、二回目に耳鼻科に行って(レントゲンを撮って貰ったところ、鼻の奥にあるふたつの穴は黒くてきれいだったので、副鼻腔炎ではないとわかった。副鼻腔炎の場合、鼻の穴はふたつとも白く濁るそう)処方してもらった薬を飲んでいたんですが、それでも効かない…。
 鼻水が喉の奥に落ちてくるのがずーっとつづくのはつらいし嫌だなあ、と、どうしたら治るかなあといろいろ調べてみたら、なんと、アレルギー性鼻炎が長年続くと、腎機能が弱ってくるらしいということを知りました。どうかするとおなかがゆるくなるなあという自覚はあったのですが、まさかアレルギーが胃にまで及ぶとは…。そりゃ耳鼻科に行って見てもらってもわからないかな。アレルギーが長年続く→腎機能、つまり胃が弱くなってくる→胃が水分をうまく吸収できなくなって、鼻水が鼻からではなく喉の奥に落ちてくるようになる、とまあ、こういった流れみたいです。なんてこった。
 この鼻水が喉の奥に落ちてくる症状を後鼻漏(こうびろう)といいまして、この後鼻漏を治す方法はないべか? と、これも調べてみたら、漢方薬がいいらしいともわかりました。特にノーザVというのがいいようで、だんだん改善されてきたと、その効果を感じた人の体験談もけっこうありました。他にも鼻うがいをしたら抜群だったというのもありましたが…ワイ、かなりの小心者なのよな…なんとか漢方薬だけでがんばってみよう。
 というわけで、早速ドラッグストアに行って、胃腸虚弱に効果があるという漢方薬を買ってきました。ドラッグストアに行ったら四角い紙のパッケージを見たことがあると思いますが、あれの「六君子湯(リックンシトウ)」。8日分でにせんえんちょっとでした。うーん、漢方薬は少なくとも一ヶ月以上は飲んでみないと効果が出てこないというので、一か月分だとはっせんえん…うーん。とりあえず、これを続けて胃腸をなんとか元気にしてみようと思います。
 六君子湯やノーザV以外にも、ホエキン(錠剤だそうです)がいいそうですが、お値段が…給料日前には厳しいよ…。7月が終わったら注文して、こちらも試してみようと思います。アレルギーだから、完全にとは言わないまでも、喉の奥に鼻水が落ちてくるのがなくなるといいなあ。たのむぜ。

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免疫つけよう
2017.06.23
二週間たってもまだたんが止まらないので、もっかい耳鼻科に行ってきました。副鼻腔炎だそうで、以前は四日分でしたが、今回はちょっと薬を変えて、一週間分もらいました。これで治るといいな。治ったら週に一回くらいは一時間程度の散歩くらいはしよう。免疫つけねば。
 以下、読書状況です。



・「筆跡鑑定人・東雲清一郎は、書を書かない。鎌倉の花は、秘密を抱く」谷春慶
 毒舌家で変人の書道家、東雲清一郎。筆跡鑑定も行う彼は、書を愛しているのに、書を避けている。しかし――客の目を引く見事な書店ポップ、鎌倉の寺社を巡った御朱印帳、祖父が読みたいと望んだ特別な小説、少年が誰にも見せたくなかったメモ――気持ちに嘘はつけても、文字は偽れない。文字に秘められた想いを、清一郎は明らかにしていくが……。古都・鎌倉を舞台に、文字と書、人の想いにまつわる事件を描くミステリー。(あらすじ引用しました)
 印象に残ったのは、最初の話の「清一郎、脅される。」でした。いやあ、美咲も話の中で「男子って、どうして馬鹿なんだろう?」と言っていますが、まさにこの言葉通りのお話です。
 最初はあらすじにもある通り、美咲のバイト先にある書店のポップから始まるのですが、一方で、清一郎も、「彼女と別れろ」という不幸の手紙をもらうようになったと不機嫌な調子で。別々の出来事に見えましたが、話が進むにつれて、ポップを描いた人と、清一郎に不幸の手紙を送りつけた人物が同一人物であることが明らかになっていきます。しかもこの犯人の動機が、まさに恥ずかしい勘違いでね…。いや、よくある話と言えばそうかもしれないんですが…確認くらいしようぜ、少年、と、読みながら思いました。そしてかわいそうにとも(苦笑)。
 あとは最後の話の「清一郎、頑張る。」もよかったです。清一郎は、自他共に認めるように、美咲のようにおせっかいではなく、自分から進んで人助けをするような可愛い性格ではないんですが、妹の友人の弟がいじめの疑惑がかけられているということを妹から聞いて、酒の勢いもあって、その疑惑を確かめる依頼を受けます。酒が覚めた後に、美咲に渋々と協力を乞うのですが、誰かに協力を乞うだけでも、最初を思うとだいぶ成長したなあと思います。まるくなったね清一郎君。
 結果としては、両親の離婚を受けて、その子供がとても思い詰めたための行動だったと判明して、その子供の父親がいたく反省するという終わりになります。いつの時代も子供が親に振り回されるのは常だなあと思います。
 で、最後に、美咲は清一郎が書展に作品を出したと聞いて、むりやり清一郎に書店の開催場所に案内させるのですが、そこで自分の作品を美咲に見られた清一郎がかわいかったです。かわいいねえ清一郎君。
 続編が出たらまた買います。個人的には美咲と清一郎の関係が発展して欲しいところ。



・「ブライディ家の押しかけ花婿」白川紺子
 マリー・ブライディは伯爵令嬢でありながら、社交界にも出ず、魔法石の研究に没頭している十七歳。ある日、酔っぱらった父が「おまえの花婿を拾って来てやったぞ」と、ひとりの青年を連れてくる。デューイというその青年は、なんとこの国の青年だった。デューイはマリーに求婚するが、独身主義のマリーは結婚する気など全くない。だが、デューイは花婿として家に居座ってしまい……?(あらすじ引用しました)
 全体としてはライトノベルかなと思いますが、話の折々にちょっと重い要素もあります。たとえば、最初の方に魔法石連続窃盗事件が起こっていると語られますが、犯人は動物――犬だったと判明します。その犬がどうして魔法石を盗むようになったのかという動機が、病気がちな主人に元気になって欲しいというものだったのですが、この主人は既に亡くなっていました。この犬の主人はまだ大人にもなっていなかったのですが、親が、とりわけ父親がこの主人に何もしなかった理由ももうね…。結婚したら大人しくしようよと思いました。
 このお話には、魔法石が出てくるだけでなく、犬やウサギになったりと色々な魔法や、動物使用人という、動物好きにはたまらんキャラクターも出てきます。主に出てくる動物使用人は、マリーに仕えているウサギの動物使用人のクロルと、デューイの友人に仕えることになる熊の動物使用人のブルーノですが、クロルのとぼけたような性格がたまりませんでした。しかも、お話の中には、このふたりが人間になる魔法がかけられる場面もあって、その挿絵もあるという。なんて素敵。
 ただ、最後には、自分は選ばれなかったという劣等感をずっと持っていたマリーが、同じような、けれども根の深い思いをしたために風にもなれなかった魔法石を宥めることになるのですが、この魔法石の元々の人物がかつて味わった過去の片鱗も、けっこう重いものでした。それは辛いなあ。結果としては、デューイの協力を得たマリーによって宥められるので、よかったです。
 挿絵や表紙の絵も素敵で、全体的にはかわいいお話かなと思います。



・「古道具屋皆塵堂 祟り婿」輪渡颯介
 怪しげな曰く品を扱う皆塵堂で、連助という男が働き始めた。だがこの連助、幽霊や呪いや祟りの類を絶対に信じようとしない。幽霊が見える太一郎などは天敵だ。連助の婿入りが決まっている紅白粉《べにおしろい》問屋六連屋《むつらや》では、なぜか跡継ぎの婿が次々と早死にしていた。皆塵堂の主の伊平次らは、祟りの正体を突き止められるか?(あらすじ引用しました)
 皆塵堂シリーズの文庫の最新巻です。出ましたねえウフフ。
 ただ今回は、幽霊や呪いや祟りは出ても、そんなに怖くなかったです。いや、皆塵堂で新しく働き始めた連助の婿入り先の祟りの話はちょっとぞっとしましたけどね…。質屋敷で妙な音がする、衝立から顔がのぞく、幽霊が出る屋敷、そして最後に連助が婿入りする先の問屋で続く祟りの話が収められています。
 幽霊が出る屋敷では、ひょんなことで、連助だけでなく、太一郎の幼馴染であり大の猫好きでもある魚屋の巳之助が泊まりがけで、屋敷の中の片づけをすることになります。どんな幽霊が出るかというと、綺麗な若い女性の幽霊だそうですが、最初は連助も巳之助も、案内する女性が来るからと聞かされたこともあって、綺麗な若い女性と会っても、それが幽霊だとは気付かないんですね。翌朝、片付けも終わりにかかった頃に、伊平次だけでなく、一日間違えたと、案内する女性がやってきて、自分達が会った女性は幽霊だったのだと巳之助はうすら寒い思いをします。だけでなく、案内するはずだった女性に巳之助が聞きたかったこと――猫は好きかという質問に、嫌いであってくれと思う巳之助に、この女性は「大好きですよぉ」と答えて、たまらず巳之助は逃げ出します。二重の意味で可哀想に(笑)。
 最後の話では、連助が婿入りする先の問屋である祟りの正体に迫りますが、その正体を知った太一郎と巳之助、そして伊平次らはどうしたものかと頭を抱えます。何せ、祟りの正体は刀で、その刀で命を落としたのは四人だと判明します。しかも、そのうち一人は赤ちゃんで、もうひとりは女性(残り二人は男性)という…。太一郎と巳之助も、店の者から話を聞いていて嫌な顔になっていくのですが、読むこちらも嫌になってきました。そんな恐ろしいものを祀るんじゃないよこんにゃろ。
 結果としては、以前にも太一郎とかかわりのあった礼蔵という人物に、太一郎が頼み込んで、店の者にくだんの刀を持ちだして貰い、無頼者とやり合う中でその刀を折ります。よかったよかった。わたしも読みながら、どうやって刀を片付けるんだろうと思いましたが、しかし人間、どんな力があるか分からないもんですね。
 ここだけの話、礼蔵さんて誰だったかなと、すっかり忘れてしまったので、改めて最初の話から読みなおそうと思っています。ごめんなさい礼蔵さん。
 まだ続編があるみたいなので、早く文庫化してほしいところです。



・「装幀室のおしごと。~本の表情つくりませんか?~」範乃秋晴
 この本にはどんな表紙が似合うだろう? 紙の種類は、帯の有無は、中身の文字組みはどうしよう? こうして試行錯誤を繰り返して、時には編集や作家と熾烈に火花を散らせながらも、その本だけのぴったりなデザイン〝本の表情〟を生みだすのが「装幀家」の役割だ。それを信条に出版社の装幀室で働く本河わらべは、その男の言葉が信じられなかった。「本の内容には目を通さない主義だ。中身を読もうが読むまいが、売り上げが変わるとでも思っているのか?」(あらすじ引用しました)
 この作者さんの名前、なんだか見覚えがあるなあと思ったら、それも道理で、以前に紹介したことのある「鴨川貴族邸宅の茶執事」を書かれた人でした。
 読んでみて思ったのは、ドラマになりそうなお話だなあというものでした。いや本当に。
 本をつくる仕事は知ってそうで知らないことばかりなので、カバーや表紙、また帯の有無など、帯に載せる推薦文なんかもいろいろな調整があって決められるという装幀の仕事の内容は興味深かったです。そして同時にちょっと申し訳なく思いました。どんな表紙なら人に読んでみたい、買いたいと思わせることができるかが重要視されるというようなことも書かれていたので、ごめんワイは表紙とかじゃなくて、作者さんとかあまぞんのレビューなんかで買うかどうかを決めてるんや…と思ったので。
 出てくる登場人物も、それぞれの考えを持っているがゆえに、仕事のやり方も違うんですね。わらべさんと巻島さん、このふたりを中心に話が進んでいくのですが、わらべさんはゲラ(原稿)を読んでから表紙のレイアウトをつくるのに対し、巻島さんはゲラに目を通さずに表紙のレイアウトをつくると、実に対照的です。新撰組に焦点を当てた本をつくることになるのですが、新撰組を調べた上でレイアウトをつくったわらべとは反対に、巻島さんは一般的に知られている新撰組のイメージでレイアウトをつくり、結果は巻島さんの作ったレイアウトが採用されます。
 というふうに、最初は何かと衝突が多いのですが、最後のほうに湯川さんという作家の本を出すに当たり、わらべは巻島さんのやることに怒らなくなっているところからして、なんだかんだでうまくやれるようになっていきます。というより、湯川さんの無茶な要求にどうすればいいんだと頭を抱える巻島さんに、わらべが助けの手を出すことになるんですね。
 この湯川さんも過去に根の深い出来事があったために、編集に対してあれこれ無茶な要求を通すようになったことが語られるのですが、イメージは恐ろしいなと思いました。
 また続編も出るそうなので、どうしようかなと考え中です。

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